出版社内容情報
異なる宗教・言語・文化が、多様なまま統一された稀有な国インド。なぜ多様性は排除されなかったのか。共存の思想をインドに学ぶ。解説 竹中千春
内容説明
遠くインダス文明にまでさかのぼり、異文化が交錯する要衝の地として繁栄してきたインド。そのため現在も多様な民族、言語、宗教が混在する。また古来よりカースト制が敷かれてきたことから、社会階層も多様に存在している。しかし、どの地方、どの民族のカレーを食べてもカレーとしてのカテゴリーに収まっているように、インド文化圏は多様な中にも統一性が保たれている。それはいったいなぜなのだろうか?映画、新聞広告、絵画、物語、遺跡、陶磁器、食べものといった身近なテーマを切り口に、インドの文化と歴史を丸ごと理解する、世界的権威によるまたとない入門書。
目次
「ラーマーヤナ」をめぐって―多様な物語の発展と歴史的意味
言語・民族問題―ドラヴィダ運動を中心に
カーストとは何か―その発生と行方
新聞の求婚広告―バラモン社会の変動
インダス文字の謎―コンピューターによる解読
石造ヒンドゥー寺院壁の刻文―王朝史・社会史を解く
菩提樹の陰にて―インドとスリランカの仏教
デリー・スルタン朝の遺跡―ムスリム政権とインド社会
海のシルクロードとインド―胡椒・陶磁器・馬
カレー文化論―南アジアの統一性
ベンガル派の絵画と日本―タゴール・岡倉天心の交わり
映画に見るインド社会―映画と政治の関わり
ティプ・スルタンの理想―イギリスとの闘い
インドのフェミニズム―ヒンドゥー教における女性蔑視と女神崇拝
マハトマ・ガンディーの試み―糸車をまわす
著者等紹介
辛島昇[カラシマノボル]
1933‐2015年。東京大学名誉教授、大正大学名誉教授。専門は南アジア史。タミル語刻文研究の世界的権威であり、カレー博士としても知られる。History and Society in South india(Oxford University Press)により日本学士院賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うちこ
in medio tutissimus ibis.
Koki Miyachi
belier
ヨシツネ