内容説明
日本は陸自をイラクに派遣しただけでなく、海自・空自は今なお海外で活動している。そして北朝鮮は核実験を強行し、中国の艦船は日本海を遊弋するようになった。軍事はもはや他人事ではない。19世紀以降の歴史を参照しながら、「開戦法規」や「作戦計画」、「動員とは何か」、「勝敗の決まり方」など素朴な疑問に答える。
目次
第1章 戦争が始まる時
第2章 世界戦争は何をもたらしたか
第3章 大戦争と小さな戦争
第4章 小さな戦争と非対称の戦争
第5章 政治(外交)と戦争
第6章 戦争はなぜ起きるのか
第7章 戦争の勝敗はどう決まるか
第8章 武器の進歩で戦術はどう変化したか
第9章 戦争をなくすにはどうしたらよいか
第10章 現代世界の火薬庫
著者等紹介
別宮暖朗[ベツミヤダンロウ]
1948年生まれ。東京大学経済学部卒業。西洋経済史専攻。その後信託銀行に入社、マクロ経済などの調査・企画を担当。退社後ロンドンにある証券企画調査会社のパートナー。歴史評論家。ホームページ『第1次大戦』を主宰するほか『ゲーム・ジャーナル』(シミュレーション・ジャーナル社)に執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ビイーン
24
学問として体系的な説明をしていないが、著者の冷徹で歴史に基づく深い洞察は興味を掻き立てられる。「平和とは単に「祈る」「願う」では達成されません。仮想敵国に戦争を思いとどまらせる手段は自らの軍事力、および同盟国の軍事力となります」この文が示す通りではないか。左翼系の知識人や政治家が唱える平和主義は、いかに欺瞞に満ち、有権者を欺き、逆に戦争が誘発されるとリアルに感じる。2018/04/10
yo
13
【10年前の軍事論の水準は伺えるが】「国家統一のための戦争は肯定されるか」「なぜ戦争は起きるか」など、立ってる問いはすごく魅力的で興味をそそられるが、中身はかなり雑で残念。93項目にわたり軍事を論ずるには、紙幅が厳しかったということにしてあげたいが、あとがきにはそういう言い訳もないし本人は満足なのだろう。特に「勝敗決定」の項では陸軍『統帥参考』のみを根拠に「指揮官が勝ったと思ったら勝ち、負けたと思ったら負け」論をそのまま受け入れてしまっているのはひどく残念。これだから、、、と言わざるを得ない。2019/02/08
中島直人
13
リアルなリアリティーのある軍事、戦争についての本。少しアンチ左翼的な感情は感じられるが、お題目ではなく、現実としての戦争という殺し合いの本質に言及出来ているのではと、感じさせてくれる。2016/10/24
壱萬弐仟縁
13
他の方々のレビューを拝見すると、あまりよいコメントがないようだ。わたくしも、そんな印象をもった。プラグマティズムはホモ=エコノミクス?(162頁)ちょっと違うのでは。鶴見俊輔氏の本を読んだら違うと思えるけども。2014/01/02
Tomoichi
12
良い本に出会えました。戦争とは何かについてこれほど丁寧にわかりやすく書かれた本はないのでは?そして侵略を続ける共産中国、その中国やロシアが常任理事国である国連を信じる馬鹿政治家。戦争を引き起こす平和主義者。一番危険なのは軍事学を知らない国民である。「軍事のイロハ」を加筆されたものです。⭐️⭐️⭐️2016/08/11