出版社内容情報
優柔不断で脆弱な哲学青年――近年定着したこのハムレット像を気鋭の英文学者が根底から覆し、闇に包まれた謎の数々に新たな光のもと迫った名著。
内容説明
復讐をなかなか行動に移さない優柔不断な哲学青年―われわれが信じてきたハムレット像は、実はロマン主義がつくりあげた虚像にすぎなかった!エリザベス朝時代に息づいていた「ヘラクレス的英雄像」と重ねあわせて読めば、自ら運命に立ち向かい、戦う男というハムレット本来の姿がよみがえる。文学史上、もっとも謎多き作品とされ、その不可解さゆえに「文学のモナ・リザ」「演劇のスフィンクス」とも呼ばれた傑作の驚きの真実を解き明かし、現代のシェイクスピア研究をまったく新たな地平へと導いた名著。
目次
第1章 『ハムレット』の謎を解く意味―序に代えて
第2章 ハムレットは優柔不断な哲学青年か?―ロマン主義解釈の誤り
第3章 なぜ復讐を遅らせるのか?―TO BE,OR NOT TO BEの表すもの
第4章 鏡としての演劇、ルネサンスの表象―奇妙な視点、パスペクティブ
第5章 「弱き者、汝の名は女」とは?―ルネサンス人間観のもたらすもの
第6章 ハムレットの狂気とは?―「尼寺へ行け」に篭められているもの
第7章 『ハムレット』最大の謎―復讐するは我にあり
著者等紹介
河合祥一郎[カワイショウイチロウ]
1960年生まれの英文学者。専門はシェイクスピア、表象文化論。東京大学大学院総合文化研究科教授。東京大学とケンブリッジ大学より博士号取得。シェイクスピア作品の新訳を手掛ける一方、The Cambridge Guide to the Worlds of Shakespeareの章を担当するなど国際的に活躍する。『ハムレットは太っていた!』で2001年サントリー学芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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