ちくま学芸文庫
高橋秀俊の物理学講義―物理学汎論

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  • サイズ 文庫判/ページ数 311p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480093950
  • NDC分類 420
  • Cコード C0142

出版社内容情報

ロゲルギストを主宰した研究者の物理的センスとは。力について、示量変数と示強変数、ルジャンドル変換、変分原理などの汎論四〇講。

内容説明

物理学のかけ離れた分野、たとえば力学と光学、そこに共通する基本的なセンスが見つけられたら、どれほど思考が軽やかになるだろう。そしてまったく新しい問題に直面したとき、どれほど力強い手がかりになるだろう。さまざまな領域で一級の成果を上げ続け、ロゲルギストを主宰した著者の、卓越した発想法の精髄を披露する。力について、示量変数と示強変数、ルジャンドル変換、動力学の変分原理、回路論から波動論へなど、物理法則や方程式をより高い立場から俯瞰したときに見えてくる景色がここにある。学習者にはステップアップの、研究者には問題へのアプローチのヒントとなる魅力的な講義論。

目次

序論
力について
示量変数と示強変数
ルジャンドル変換
熱の自由度、ルジャンドル変換の例
物質の出入りと化学変化
いろいろな自由度の間の交渉
線型レスポンス
2変数の具体例とそれらについての相反法則
伝達率と結合定数〔ほか〕

著者等紹介

高橋秀俊[タカハシヒデトシ]
1915‐85年。東京生まれ。東京大学物理学科卒業。同大名誉教授。のち慶応義塾大学工学部教授。強誘電体、システム理論、制御理論、パラメトロン計算機などで成果をあげた。さまざまな分野に通用する普遍的・独創的な発想で研究を牽引。ロゲルギスト主宰者でもあった

藤村靖[フジムラオサム]
1927年生まれ。東京大学物理学科卒業。音声科学者。オハイオ州立大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

MAT-TUN

3
ディラック、ランダウ、ファインマンなどの外国の天才が書いた書物も面白いものが多いが、日本人の私には高橋秀俊先生の書いた物理学の本もまた実に心地よい。昔西洋の学者が湯川秀樹先生に、あなたの着想の源泉は西洋のものと違うように思われるがそれは東洋の伝統に根ざしたものか、と問うたそうだがその気持ちが少しわかる。この心地よさはなんなのだろう。2012/06/21

まじぇすた

1
新しい物の見方と考え方を示してくれて面白かった。様々な物理の法則や現象を四端子理論や電気回路に対応させて、非常に汎用的な枠組みでそれらの法則や現象を捉える。線形応答理論をきちんと勉強したくなる本。力を一貫して「示量変数×示強変数」と捉える考え方や、幾何光学と質点の力学(16章)の対応についての丁寧な説明など、どの章も目から鱗の内容である。最後の40章では、紙への印刷さえも増幅器と捉えたり円盤のインピーダンスという考え方だったりと斬新な考え方に驚くばかり。個人的には「13章 慣性のある系」が一番楽しかった。2018/06/07

Shotaro Tsuji

1
解析力学が分からないと楽しくない部分もあるが、本書の大部分を占める回路網の話は電気系の人間には楽しい。2014/03/04

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