ちくま学芸文庫
増補 明治の迷宮都市―東京・大阪の遊楽空間 (増補)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 316p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480091383
  • NDC分類 361.78
  • Cコード C0152

内容説明

明治期日本の大阪・東京は、欧米文化を急速に織り込みながら、近代都市へと転生していく。そのはざまに、人々が快楽をもとめて遊歩する、“仮象の街”ともいうべき空間が生み出された。見世物小屋、百貨店、パノラマ館、高塔、博覧会―。都市とは、その存在自体が見世物である。今日も形を変えて残るこれらの空間を通して、都市の記憶を蘇らせる。雑誌連載「アミューズメントスペース事始め」から、映画館・住宅展示場・市中温泉などの論考を収録する増補決定版。

目次

1 都市と見世物小屋の近代
2 死者たちのユートピア
3 世俗の塔の誕生
4 迷路のなかの快楽
5 パノラマ館考
6 博覧会という体験
補遺 アミューズメントスペース事始め

著者等紹介

橋爪紳也[ハシズメシンヤ]
1960年大阪生まれ。建築史・都市計画史専攻。京都大学工学部建築学科卒業。同大学院工学研究科修士課程および大阪大学大学院工学研究科博士課程修了。工学博士。大阪市立大学都市研究プラザ教授などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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高槻

2
近代の都市において人々を仮初の非日常や都市の外の広い世界に触れさせた見世物小屋や高楼建築、メーズ、パノラマ館、博覧会会場について、それらがどのように創造され発展し民衆に親しまれるようになったか、またそれらが都市に住む人間と都市空間そのものの在り様に対してどのような影響を与えたかが述べられている 特に明治時代最大規模の国家イベントであった大阪で開催された第五回内国勧業博覧会に関する記述にとても興味を惹かれた2013/06/21

自由浮遊社

1
面白かったけど、この手の本は感想が書きづらい。大阪出身で大阪で活動しているひとなので、大阪方面についてもしっかり書かれている。また、東京と大阪を比較するような箇所もあり、大阪というか関西圏在住の身としては興味深かった。2021/03/28

子音はC 母音はA

1
明治期の大阪・東京の街が近代都市へ変化していく過程を見世物小屋、百貨店、パノラマ館、高塔、博覧会の起源・成立を詳らかにしながら描いていく。この手の本は東京を扱うのが多いが大阪の街への記述が手厚いのは貴重。また補講も住宅展示場等、面白い素材を取り上げる。2013/10/10

いちはじめ

1
建築関係といっても、あまり陽の当たらない見せ物小屋などにスポットを当てているのが嬉しい2008/05/27

ほたぴょん

0
都市とその都市が表象する文化とを関連づけて論じるタイプの都市論で、前田愛先生の『都市空間の中の文学』などの延長線上にあるものだと思う。こうした都市論は東京を論じたものが多いが、本書はかなりの文量を大阪について割いていて、なかなか興味深い。千日前が元々は墓地や焼き場、刑場だったとは知らなかった。お化け屋敷や博覧会のパビリオンなど、一般には都市の一部とは見なされないような仮設のものから、むしろ都市の本質に迫ろうという企みは大胆ではあるが面白い視点だと思う。2012/10/30

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