出版社内容情報
日本の教育はなぜ失敗をくり返すのか。その背景には、子ども中心主義とポピュリズムの罠がある。学力をめぐる誤った思い込みを抉り出し、教育再生への道筋を示す。
内容説明
「ゆとり教育」は学力の低下や格差を招いたとして多くの批判にさらされた。だが歴史的に見れば、そうした教育政策の揺り戻しは、幾度となく繰り返されてきたお決まりの対立図式にすぎない。このような構図の背景にあるのが、私たちの学力なるものへの過剰なとらわれであり、「子ども中心主義」と「ポピュリズム」という二つの罠である。本書は、教育論議を呪縛する「学力幻想」を、その思想的背景を掘り下げることで相対化し、教育問題への新しいアプローチを提示する試みである。
目次
序章 いま、なぜ「学力幻想」か?
第1章 学力問題をめぐる二つの罠―子ども中心主義の罠とポピュリズムの罠
第2章 子ども中心主義の罠―教えるということの公共性
第3章 ポピュリズムの罠―「みんなできる」という幻想
第4章 学力問題が再び政治化する
第5章 政治化する学力問題の最前線―一人の子どもも落ちこぼれさせない法律
第6章 学力幻想を超えて―カリキュラム・イノベーションの方へ
著者等紹介
小玉重夫[コダマシゲオ]
1960年生まれ。東京大学法学部政治コース卒業、同大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。慶應義塾大学教職課程センター助教授、お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科教授などを経て、現在、東京大学大学院教育学研究科教授。専門は、教育哲学、アメリカ教育思想、戦後日本の教育思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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魚京童!