内容説明
国際金融はリアリズムの世界である。そこでは国家の思惑がぶつかりあい、さまざまな「力学」が交差する。大航海時代の15世紀も、ロスチャイルド家が活躍した18世紀も、人民元やオイルマネーが跋扈する21世紀も、その構図はさして変わらない。むしろ、サブプライム禍以後、市場では国家の役割がいっそう大きくなりつつある。もはや金融は、国家プロジェクトなのである―。国家はどのように金融に関わってきたのか。規制と自由はいかにバランスされてきたのか。歴史を振り返り、日本の金融のあるべき姿を考える。
目次
第1章 金融力の競争時代―金融と国家の位相(軍事力と金融力;金融は有益な機能なのか ほか)
第2章 国際金融の力学―どのように発展してきたか(国際金融はどのように始まったのか;資金はどのように資本化されたか ほか)
第3章 金融の現代史―国家は推進力になりうるか(国際金融危機はどう切り抜けられたか;米国による金融の制度設計 ほか)
第4章 金融力拡大戦略―各国は金融をどう捉えているのか(日本の失敗から学ぶ中国;スイスはなぜ金融立国となったのか ほか)
第5章 日本の金融力再考―金融戦略に無関心な日本(「金融鈍感力」の大きな弊害;制度設計力の重要性 ほか)
著者等紹介
倉都康行[クラツヤスユキ]
1955年生まれ。東京大学経済学部卒業後、東京銀行入行。東京、香港、ロンドンで国際資本市場業務に携わった後、97年よりチェースマンハッタンのマネージングディレクター。現在、RPテック代表取締役、産業ファンド投資法人執行役員、フィスコ非常勤取締役などを兼務。日本金融学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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