出版社内容情報
ヨーロッパ各国の入試制度の特徴や課題を詳らかにし、日本との比較を通じ今後の入試のあり方を考察。コロナ流行下の入試動向も記載。
内容説明
ヨーロッパの入試から日本の入試を考える。
目次
序章 一発勝負の国から見たヨーロッパの入試改革
第1章 the Netherlands―見直され続けるオランダの中等教育修了資格試験 教育の論理に根差す試験とは
第2章 Italy―イタリアの高校生はなぜマトゥリタ試験の改訂に抗議したのか 生徒の学習を尊重した修了資格試験のあり方
第3章 Austria―オーストリアのマトゥーラ改革と「PISA型教育改革」 口述試験で測られる能力
第4章 Germany―Bildungとアビトゥア ドイツにおける伝統的理解と現在の議論
第5章 France―なぜバカロレア改革は混乱を引き起こしているのか 平等と選抜のフランス的ジレンマ
第6章 France―フランスの「受験戦争」 グランゼコール準備学級におけるエリート選抜
第7章 Sweden―生涯学習社会スウェーデンの大学入試 オープンでシンプルな制度を目指して
第8章 United Kingdom―イギリスのAレベルと多様な入学資格 受験機会ではなく、進学機会の公平性を
第9章 Japan―揺れる日本の大学入試改革 その実態と挑戦
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かりん
4
4:《比較して気づく。日本の入試の常識は常識ではない》ヨーロッパの国々の大学入試を見ることで、日本の入試の常識、特に「公平」への考え方の違いに気づくことができる。まったく知らなかったので面白く読んだ。日本…入学試験、大学が入学者を選抜する/欧米…卒業試験、入学者が大学を選抜する。口述試験や高校教員の関わりも違う。たしかに卒業試験であれば、高校の学習と入試問題のミスマッチが云々という話も起こらない。自分はどの国の入試がいいかなぁ、と考えてみたが、結論が出なかった。でも、日本ではないかな。E2022/03/14
橘
3
一口に入試と言っても、国が変わればシステム自体が異なる。就学年齢も様々。どこが良い悪いではなく、ヨーロッパ諸国の中等教育修了資格試験を比較することで、教育の未来への可能性を可視化する。誰が注目する訳でもないと思われるテーマに真摯に取り組み、知性に訴える素晴らしい書籍を著した研究者たちにエールを送りたい。2020/10/16
よしひろ
2
大学入試について深く考えることができる一冊。2021/01/27
たろーたん
1
個人的には、仏国のバカロレアやグランゼコール入試が興味深かった。哲学の問題「責任」とか、歴史問題「アメリカはその意に反して世界の大国であったか?」など、これがフランス一流大学の入試なのかぁ~、と面白かった。ただ、バカロレアってすごい難しいイメージだったけど、9割は受かるんだね。2022/06/09
渓流
0
ありふれたインパクトはない学術論文集2020/12/15