出版社内容情報
「女の人の声が聞こえるんです」。
殺人の罪を認め、素直に聴取に応じていた被疑者が呟いた。
これは要精神鑑定案件か、それともーー。
身元不明の男性が殺害された。
加害者が自ら一一〇番通報し、自首に近い形で逮捕される。
これで、一件落着。
自分の出る幕はない、と警部補・武脇元は思っていたが……。
事件の真相に、あなたは辿り着くことができるか。
伏線に次ぐ伏線が織りなす衝撃のミステリー。
内容説明
一向にわからぬ被害者男性の身元、14年前の未解決殺人事件。ふたつの事件を繋げるのは、“他界した彼女”だった…。
著者等紹介
誉田哲也[ホンダテツヤ]
1969年東京都生まれ。2002年に『妖の華』で、第二回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞を受賞しデビュー。2003年に『アクセス』で第四回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
499
誉田 哲也は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、スピリチュアル復讐ミステリでした。ノンシリーズの本作に菊田(妻)が登場するとは思いませんでした。菊田と言えば、姫川シリーズ、竹内結子が演ずる新しい姫川玲子がもう観られないと思うと悲しい限りです。改めて心からご冥福をお祈り申し上げます。2020/10/06
ウッディ
350
自分の部屋で男性を殺し自首した女性、事情聴取で何も話さない雪実が漏らした「何かの声が聞こえる」という事実。ミステリーからオカルトホラーに、そしてコメディに印象が変わっていく物語でした。親友が殺された事件の真相を追う雑誌記者、彼女を襲った悲劇とその遺志を伝えたい想いが言霊となる。冷静に考えると悲惨な事件だけれど、ゆったんの正体に関する叙述トリックや巧妙に仕掛けられた伏線がきれいに回収される後半が心地よく、雪実、真由そして菊田さんという女性陣が可愛いらしく、予想もしなかった展開ながら、とっても面白かったです。2021/03/21
旅するランナー
295
かなりぶっ飛んだ、バディー小説。言霊と雑誌記者が殺人事件を解決します。全く悲壮感はなく、あっけらかんとしています。バカらしい内容も、思いっきり書いたら、面白くなっちゃうんだなぁ。電車の中の紳士、ナカムラさんの正体には苦笑しちゅった。これぞ、誉田マジック! もう、言葉もありません。2020/12/15
Makoto Yamamoto
280
これまでとは違った作風だった。初めの方は今少し重いなあと思いたけど、登場人物の取り違えをしていたのに気が付いてから、面白くなってきた。 諭吉が出てきたりして、何ともはやと思いながらも引き込まれてしまった。 雪実と真由、意思疎通もだんだん良くなって、べったりではなくいい感じだと思った。2021/04/26
いつでも母さん
223
誉田さんだし、このタイトルだし・・え?えーっ?そっちなのってサクサク読んでしまいました。事件に対応する武脇とその相棒・菊田はあの菊田の妻でしょうか?妻だよね?菊田家は上手くいってるのね~って気持ちが逸れる(汗)2020/09/13