出版社内容情報
ヒトはなぜ言語を使えるようになったのか?人間に特有の認知能力を解き明かし、大胆かつ綴密な仮説によって進化の最大の謎に迫る!
言語のような象徴記号や道具の使用は、進化上どのように生まれたのだろうか。人間を他の霊長類と分けるこの謎を、著者は、他者を自己と同じく意図をもった主体として理解する能力を基盤とした人間に固有の文化的継承の仕方によるものと論じる。霊長類学、人間の言語習得、発達認知研究の第一人者として知られる著者が、幅広い知見をもとに書き下ろした名著、待望の邦訳!
関連書:プレマック『心の発生と進化』(新曜社)など
第一章 謎と仮説
第二章 生物学的遺伝・文化的継承
1 生物学的遺伝
2 ヒト以外の霊長類の文化
3 ヒトの文化進化
4 ヒトの個体発生
5 二重継承モデル
第三章 共同注意と文化学習
1 赤ちゃんの初期認知
2 九か月革命
3 九か月革命についてのシミュレーションによる説明
4 初期の文化学習
5 文化の個体発生的な起源
第四章 言語的コミュニケーションと記号的表示
1 言語習得における社会的認知の基盤
2 言語習得における社会的やりとりの基盤
3 感覚運動的表示と記号的表示
4 注意の操作としての記号的表示
第五章 言語の構文と出来事の認知
1 言語の最初の構文
2 言語の構文学習
3 言語的認知
4 言語と認知
第六章 談話と表示上の再記述
1 言語的コミュニケーションと認知発達
2 社会的知識と物理的知識
3 メタ認知と表示上の再記述
4 視点の内面化
第七章 文化的認知
1 系統発生
2 歴史
3 個体発生
4 プロセスの重視
訳者解説
参考文献
事項索引
人名索引
内容説明
本書で著者が焦点を当てるのはヒトの認知の中でも種に特有な側面に限る。広い視野で見れば、ヒトの認知が伝統的な認知心理学の教科書の章立てのような要素、すなわち知覚、記憶、注意、カテゴリー化などから成り立っていることは確かである。だがこれらはみな、ヒトと他の霊長類に共通する認知プロセスである。ここでの私の説明は、これらを前提とした上で、そのような基本的スキルが、ヒトの認知という霊長類の認知の中でも特別なものに変貌していった進化論的、歴史的、個体発生的プロセスに、ヴィゴツキー的なやり方で焦点をあてていく。
目次
第1章 謎と仮説
第2章 生物学的遺伝・文化的継承
第3章 共同注意と文化学習
第4章 言語的コミュニケーションと記号的表示
第5章 言語の構文と出来事の認知
第6章 談話と表示上の再記述
第7章 文化的認知
著者等紹介
トマセロ,マイケル[トマセロ,マイケル][Tomasello,Michael]
1950年生まれ。1980年、ジョージア大学にて博士号を取得(心理学)。マックス・プランク進化人類学研究所共同所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かんやん
34
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belier
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