出版社内容情報
『国家』をテキストとして読み解くことに徹底的にこだわり、従来の解釈を覆す新たな読みを提示。その価値と魅力を語る待望の入門書!
第一級の哲学テキストであるプラトンの『国家』。本書では、人間とは何かという問いが『国家』を貫く縦糸となっており、そこに正義とは何か、哲学とは何かという問いが絡んでくることを指摘。これらの問いにプラトンがどう答えているのかを読み解き、それに自分がどう答えるのかを考えることが『国家』を読むということだと論じる。
内容説明
『国家』を読むとはどういうことか?テキストをどう読み解くかに徹底的にこだわり、従来の解釈を覆す新たな読みを提示。その価値と魅力を語る待望の入門書!
目次
第1章 『国家』を読む難しさ(何が難しいか;『国家』篇の概略)
第2章 『国家』篇の構想(構想の要としての「人間の話」;議論をどう組み立てたか ほか)
第3章 問題を解く道筋(「正義とは何か」という問題;「別のもっと長い道」 ほか)
第4章 問題はどう解かれたか(哲学者と国家;「複雑で多面的な生き物」 ほか)
著者等紹介
岡部勉[オカベツトム]
1949年茨城県に生まれる。1978年東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。博士(文学)。熊本大学教授、放送大学熊本学習センター所長などを経て、熊本大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Fumitaka
1
『国家』では「人間(幸福、正義)とは何か」という主題が最後まで貫かれているとして、かの著作を平易に解説してくださっている。プラトンの問題設定は後世の人間が思うよりも広く深く設定されているとか、あるいは逆にどこまで設定されていないか、というのは確かにただ読むだけでは見落とされがちで、僕は完全に素人ながら、あの本を読みこむ上での「指導者」になっていただけたと思います。後世のプラトン評価がアリストテレスにある程度引っ張られているのではないかという指摘は興味深い。あと『第七書簡』、遂に偽書認定が出されたんですか。2022/01/31
アトラス書房
0
まえがき)もともと、プラトンの対話篇は、専門家向けに書かれたものではありません。『国家』もそうです。しかし、普通の言葉で書かれてはいますが、恐ろしく高度な内容が含まれています。だから、「跳ね返された」とか「太刀打ちできなかった」ということにもなるのだと思います。それに、そうでなければ「第一級の哲学のテキスト」とは言えません。この小著が、適切な道案内の役割を果たすものとなることを願っております。2023/12/12