内容説明
1920年代から1960年代初頭頃までの物理学史、化学史、人類学史、薬理学史、哲学的な生命論をカバーする。また冒頭には、読書案内的な通史を載せる。読者は、「歴史を語る」、「その歴史の歴史を語る」、という二重の構図の中に知らないうちに身を置いた自分を発見し、それがそのまま、“歴史的認識”なるものがもつ複雑な存在位相の一端に触れる経験になる。
目次
序章 “科学思想史”の来歴と肖像
第1章 原子核・素粒子物理学と競争的科学観の帰趨
第2章 眞島利行と日本の有機化学研究伝統の形成
第3章 日本人起源論と皇国史観―科学と神話のあいだ
第4章 日本漢方医学における自画像の形成と展開―「昭和」漢方と科学の関係
第5章 生物学と歴史哲学―京都学派における“生物学の哲学”
著者等紹介
金森修[カナモリオサム]
1954年北海道出身。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。博士(哲学・パリ第一大学)。筑波大学講師、東京水産大学助教授などを経て、東京大学大学院教育学研究科教授。専門、フランス哲学、科学思想史、生命倫理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tuppo
0
哲学畑の人と歴史畑の人で差がありすぎ。後者の章(物理、化学)はとても面白い。考古学の章も読めないことはありません。だが一番期待していた生物学……。ひどい。京都学派関係無いじゃん。勝手に哲学しないでもらいたい。仮にも科学思想史の本でしょう。言葉は定義してから使ってほしい。日記じゃないんだから。無限の猿定理思い出したよ。猿がタイプしたらオールモストシュアリーこんな文章になるよ生物学の章。2012/12/06
midnightbluesky
0
にぎやかしで読みました。真面目に読んでいません。昔の特撮で日本の秘密兵器としてサイクロトンて名前がよく出てきたのを思い出したが、由来と本来のサイクロトンを知り変な感慨を覚えた。2012/06/17