内容説明
当時の流行の最先端をことばにした、豊かなる歌謡『梁塵秘抄』が新たな世界を魅せる。本書はそれらを、“表象”という視点から読み解いていく。論究は『いはでしのぶ』、『風の紅葉』といった中世王朝物語や、近世の『雨月物語』にも及ぶ。
目次
第1章 祝言歌謡の今様―祝いの歌語と文化(『梁塵秘抄』三一六番歌における「岩屋」;遊ぶ鶴亀と「太子」の王権と礼楽―「太子を迎へて遊ばばや」について)
第2章 女性をうたう今様―逸脱性を持つ女たち(「子産まぬ式部」について;誘う女の“神婚伝承”;呪う女―恋の恨みと呪詛、三本角の鬼)
第3章 「美女」の今様―何故、「美女」は魅力的か(中世における「美女」と今様―三四二番歌を視座として;越境者としての翁―翁の性愛と寿ぎ、笑い)
第4章 物語の中の表象―中世王朝物語と近世の物語(『いはでしのぶ』における物尽し―王朝なるものへの回帰方法として;『風に紅葉』の道行文―和歌の表現から読み解く;鹿角の蛇―神話的イメージの継承と創造)
著者等紹介
縄手聖子[ナワテセイコ]
1981年生。2013年、フェリス女学院大学人文科学研究科日本文学専攻博士後期課程修了。2013年、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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