文春文庫<br> 夫・車谷長吉

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文春文庫
夫・車谷長吉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 304p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167914431
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

直木賞「赤目四十八瀧心中未遂」で知られる異色の私小説作家の求愛を受け容れ、最期まで妻として支え抜いた詩人による回想。

内容説明

「もし、こなな男でよければ、どうかこの世のみちづれにして下され。」四十八歳の風変わりな私小説作家の求愛を受け容れた四十九歳の詩人。強迫神経症、直木賞受賞騒ぎ、訴訟、カブトムシ愛、四国遍路の旅、二人での句会、そして不意の死別。起伏に富んだ夫婦の日々を至純の筆致で描き、高い評価を得た名随想。

目次

1(絵手紙;出会いまで;『鹽壺の匙』のころ;結婚まで)
2(千駄木;宴;低迷運;狂気)
3(『赤目四十八瀧心中未遂』のころ;直木賞受賞・光と影;終の住処;けったいな文士)
4(南半球一周航海へ;初恋の人のことなど;お遍路)
5(異変;永訣)
6(墨書展)
講演 詩と小説の間―夫・車谷長吉とともに

著者等紹介

高橋順子[タカハシジュンコ]
1944年、千葉県飯岡町(現・旭市)生まれ。千葉県立匝瑳高等学校卒業。東京大学文学部フランス文学科卒業。青土社などの出版社に勤務。1987~98年、書肆とい主宰。98~2004年、法政大学日本文学科非常勤講師。1993年11月、作家車谷長吉と結婚。87年『花まいらせず』で現代詩女流賞、90年『幸福な葉っぱ』で現代詩花椿賞、97年『時の雨』で読売文学賞、2001年『貧乏な椅子』で丸山豊記念現代詩賞、14年『海へ』で藤村記念歴程賞、三好達治賞、18年『夫・車谷長吉』で講談社エッセイ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

金平糖

5
B+。2020/08/26

kentaro mori

5
壮絶であったであろう日々を壮絶に書かない。淡々と書く。そこがよかった。⚫️作品を見せあうことは別に約束したことではない。でもそれは私たちのいちばん大切な時間になった。原稿が汚れないように新聞紙を敷くことも、二十年来変わらなかった。相手が読んでいる間中、かしこまって側にいるのだった。緊張して、うれしく、怖いような生の時間だった。いまは至福の時間だったといえる。2020/02/21

hiratax

2
車谷長吉って、セゾングループで嘱託社員として勤務していたが、マックスで月給が50万円あったと。これは一種のパトロン文化ではないかと思うが、翌年にはリストラされているんで、やはり資本主義、商行為、なんだとも。2020/03/14

カツェ

2
「出会いまで」「結婚まで」の手紙のやり取りを中心にした清らかにも見える関係性から、結婚後の業まみれの生活描写へ。書き方も変化していて、だんだん日記メモそのままになっていく後半は、まだ書き手にとっても生々しいのかも。当然、読後は車谷長吉の作品が読みたくなる。2020/05/02

Teppei Sakano

1
波乱に満ちた時間だったことは想像できるが、そこに悲壮感を感じさせはしない。最も近い夫婦という関係性でありながら、厄介な人間でもある伴侶に対してもリスペクトと優しさ、慈しみがあり、お互いが肩を寄せ合うようなじんわりとした温かさを感じたなあ。 そして、人を好きになってただひたすら夜中に自転車で走り回りたくなることはあるでしょうが!という夫・車谷の感性には同意。2023/11/02

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