文春新書
中世の貧民―説経師と廻国芸人

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  • サイズ 新書判/ページ数 265p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166608904
  • NDC分類 210.4
  • Cコード C0295

出版社内容情報

説経節の名作『小栗判官』を題材に、貴族や高僧、武士ではなく、室町時代の庶民の目から見た貧困、病、宗教、そして恋の道行きを描く。

当時の人々は、どんな暮らしをしていたのか

説経節の名作『小栗判官』を題材に、貴族や高僧、武士ではなく、室町時代の庶民の目から見た貧困、病、宗教、そして恋の道行きを描く。

内容説明

説経節の名作『小栗判官』を題材に、餓鬼として甦り、土車で引かれる主人公の熊野への旅を改めて検証するとともに、貴族や高僧といった上流階級ではなく、庶民の目線から見た貧困、病、宗教、そして恋の道行き等の実態を描く。

目次

1章 六根片端の男(つちぐるまの吸引力;中世の小田原宿;貴種の来歴;復讐と鎮魂の系譜;奇想世界『をぐり』の成立)
2章 魅惑の倒錯(美人の特権神話;獣姦を特別視しない文化;道行の幻視;散所;陰陽師村・声聞師村)
3章 中世の恋(盲目杖に咎はなし;乙姫もつよし、小萩もけなげ;無謀な求婚;なぜ人食い馬なのか;受難の放浪劇;人商人と中世奴隷制)
4章 よみがえりの夢(鏡の里の女たち;逢うも別れもの関;清水坂の雑踏;四天王寺の摩多羅神;熊野から、お急ぎあれ;復讐譚で物語誕生;不具と不治の普遍)

著者等紹介

塩見鮮一郎[シオミセンイチロウ]
1938年、岡山市生まれ。岡山大学法文学部独文学科卒。河出書房新社編集部を経て、作家として独立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

もりやまたけよし

33
小栗判官の説話節の話。しょっちゅう脱線して周辺知識の解説がはじまる。そのうち一体何の話だったっけと迷子になってしまいます。エッセイとして楽しめました。2020/06/05

佐島楓

29
ちょっと文章がわかりにくく、あとがきにある文献を参照しないといけない部分があるかもしれない。説教節というものはこの本で初めて知った。こういった形で現代に昔の悲惨さが伝わるのだなと思った。2014/11/11

Tomoichi

13
文春新書で続いて来た著者の「貧民」シリーズですが、シリーズの中で一番つまらない内容で、中世の貧民について読みたいのであれば網野善彦を読んだ方がいい。買わなくてい一冊。2018/02/10

壱萬弐仟縁

12
美男美女を求める深層心理 の節に目が留まる。美女の条件は現代の中学2,3年生(60頁)。江戸時代になると16,7歳の高校1,2年。要するに、人生50年というか短かったので、華の年代も若くなるのだろう。また、案山子は障害者の仕事 の節では、栄養失調で失明(110頁)とは相当な貧しさ。彼らが案山子の役割とは驚き。今はダミー像だから。人身売買もあったようである(167頁)。金沢にも宮の越という地名があるのも意外(169頁)。蝉丸は国道1号にそれらしい場所がある。いつも通過してしまうが。歴史的名所を時には観光で。2013/02/27

chisarunn

10
中世の庶民の間で人気だった説経節というエンターテイメントについて代表作を解説した本、わっかりやすい!そういえば中世好き好きと言ってる割には貴族社会の文化についてばかりで、底辺の生活や文化についてはうといのだった。反省。で、これを読むとにわかに「影武者徳川家康」を読みたくなった。底辺から家康の影武者となって成り上がった男の物語である。「散所」や「廻国芸人」がどう料理されているのか、今度はじっくり味わって読みたい。2022/03/10

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