文春新書
空気と戦争

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  • サイズ 新書判/ページ数 192p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166605835
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C0295

出版社内容情報

太平洋戦争開戦をめぐってなされた、知られざる意思決定過程を追うことで、あの戦争に突き進んでいった、時代の「空気」を探究する。
「天皇絶対主義や軍国主義という『時代の空気』によって、日本人はいやおうなく戦争へと突入していった」というように、「戦争」というとなんでも「空気」のせいにしてしまいがちだが、その「空気」というのはいったい何なのか。それを検証することが今に至る「この国のかたち」を理解し、山積する課題に対処する道しるべになる……。

内容説明

太平洋戦争という日本の針路決定の陰に、二十代、三十代の若者達の戦いがあった!東京工業大学の学生に向けた、目からウロコの名講義を再現。「時代に流されずに生きるとは」を熱く説く。

目次

はじめに(戦前も「アメリカ」は流行だった;「右の左翼」の謀略史観)
第1章 東條英機に怒鳴られた二十六歳の高橋中尉(人造石油とバイオマス;少佐と中尉はどちらが偉いのか ほか)
第2章 三十代の模擬内閣のシミュレーション(『昭和16年夏の敗戦』;にわかづくりの総力戦研究所 ほか)
第3章 数字が勝手に歩きだす(口外してはならぬ;「虎穴に入らずんば虎児を得ずだね」 ほか)
第4章 霞が関との戦い(戦前と戦後をつらぬく官僚主権;歴史は繰り返す ほか)

著者等紹介

猪瀬直樹[イノセナオキ]
作家。1946年、長野県生まれ。87年『ミカドの肖像』で第18回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。『日本国の研究』で96年度文藝春秋読者賞受賞。以降、特殊法人等の廃止・民営化に取り組み、2002年6月末、小泉首相(当時)より道路関係四公団民営化推進委員会委員に任命される。その後も政府税調委員、地方分権改革推進委員など改革をつづけ、07年6月、石原慎太郎都知事の要請を受けて東京都副知事に就任。東京大学客員教授、東京工業大学特任教授もつづけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ehirano1

82
分かりやすい内容でした。SIMまでやっていたのに・・・・・その場の空気とは恐ろしいモノです。そして、「空気の研究(山本七平)」を読まねばと思いました。2015/07/30

ehirano1

65
『不合理』と『見えない力(=制御不能の雰囲気)』を代理体験できる良本だと思います。2020/08/08

姉勤

38
戦前、石油禁輸により原油の確保が、その手段として戦争も含む喫緊の課題となった。 人口石油の研究者が、技術士官として陸軍に派遣され原油備蓄と継戦能力を算出し 戦争できない数字を出したが、やがてその数字が戦争勝利の根拠として使われることになった。 自著の「昭和16年の敗戦」のダイジェスト的な内容。日本人の「水に流すという」 長所であるが短所が、時に致命的な「検証」と「学習」をさせないバリアとして働き 現代まで延命している度し難い日本人の性質をあぶりだしている。2024/04/09

はふ

12
1941年、日本軍が真珠湾を攻撃したことにより、米国との太平洋戦争が始まった。すでに敗戦することが決まっていた戦争が。 日本軍が米国に攻撃するきっかけとなったのは、米国による日本への石油輸出禁止である。南に勢力を拡大しようとする日本を恐れた米国は、ほとんどの石油の輸入を米国頼っていた日本への輸出を止め、弱体化を図った。その米国への対策として、戦争するか外交するかの2択を迫られた日本は、負けることがわかっていたにも関わらず、国内の米国に舐められてはいけないという圧力に押され、開戦へと至ったのである。2022/08/12

二輪病

5
教科書のテンプレから抜け出した、大戦直前の実際の雰囲気を感じることができました。かつその悪い部分が現在でも変わっていないことを再確認させられます。天皇主権でも主権在民でもなく官僚主導だという意味で、戦前と戦後は直につながっている。という所が印象的。2013/11/10

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