武田百合子

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  • サイズ B6判/ページ数 269p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784166402502
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0395

出版社内容情報

切り盛り上手、美しく逞しい主婦だったこの人は、詩人の目で記録を残した。日記文学史上の傑作『富士日記』抄、綺羅星の如き随筆群

女性作家の名随筆アンソロジー第五巻。この巻では川上弘美氏が敬愛する書き手・武田百合子の日記、随筆から厳選。作家・武田泰淳との富士山麓別荘での十年余にわたる生活を綴り、泰淳の死後発表されその研ぎ澄まされた言語感覚に世間が驚愕した『富士日記』からの抜粋と、掌編小説のような逸品が並ぶ『ことばの食卓』から数篇、娘・武田花と遊ぶ日々が綴られた『遊覧日記』『日日雑記』からも数章。夫亡きあとの文章からは「哀しみ」が行間から漂い、自然に泣けてくる名文が続きます。選者による巻頭エッセイと、研究者による解説、略年譜付き。

内容説明

富士山麓で夫と見た、聞いたこと。戦前の少女時代、娘と遊んだ晩年の日々。武田百合子のまわりにはいつも驚きがあった。

目次

『富士日記』より(昭和三十九年;昭和四十年 ほか)
『ことばの食卓』より(枇杷;牛乳 ほか)
『遊覧日記』より(浅草蚤の市;上野東照宮 ほか)
『日日雑記』より
単行本未収録エッセイ(椎名さんのこと;富士山麓の夏)

著者等紹介

武田百合子[タケダユリコ]
1925年(大正14年)9月25日神奈川県横浜市神奈川区に生まれる。1938年(昭和13年)4月、神奈川県立横浜第二高等女学校に入学する。1943年(昭和18年)3月に同校を卒業。1977年(昭和52年)10月(上巻)と12月(下巻)、『富士日記』(中央公論社)刊行。同書により第十七回田村俊子賞を受賞する。1979年(昭和54年)2月、『犬が星見たロシア旅行』(中央公論社)刊行。同書により第三十一回読売文学賞を受賞する

川上弘美[カワカミヒロミ]
1958年、東京都生まれ。お茶の水女子大学理学部卒業。96年、「蛇を踏む」で第115回芥川賞を受賞。2001年、『センセイの鞄』で第37回谷崎潤一郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ぐうぐう

23
編者である川上弘美の言葉にあるように、武田百合子のエッセイのおもしろさは、武田百合子という人間のおもしろさから来ているという指摘には大いに納得させられる。とはいえ、『富士日記』以降の作品には、それだけでは説明のつかない魅力があるようにも思える。そこには、プロとしての貫禄が漂っている。それでいて、技巧の酔いは一切見当たらない。プロとしてうまくなってなお、百合子の人としてのおもしろさが文章に親しみを絶えず残している。そこがすごい。(つづく)2015/03/19

kri

7
ラジオでルシアン・ベルリンの訳者岸本佐知子が、訳す時に武田百合子の文体・雰囲気が近いかなと参考にしたと言っていた。この本で初めて武田百合子を読んで、私には合点がいって今やちょっとルシアンと百合子が渾然一体となっている。日常を簡潔に書く。自分の足元の世界を日々飽くことなく観察して、いろんな命の有り様をわりと冷静に受け止め受け入れる。自分の心に素直に感情を表すことも厭わないし、日常から飛躍をもたらす文章に驚かされる。安心の平凡さ・現実感とふと顔を覗かせる激情。魅力的だ。因みに誕生日が一緒で嬉しい2020/08/01

どら猫さとっち

7
作家・武田泰淳の妻で、エッセイストであった武田百合子の名エッセイを、この一冊に凝縮したもの。ビギナー向けにもおすすめ。数多くの女性作家が、彼女のエッセイを愛読しているが、本書を読めば彼女の魅力がわかる。夫との富士山近くで過ごした生活の記録『富士日記』、日々の生活から紡ぎ出した『日々雑記』など、未発表エッセイ2編収録しているのも、ファンには嬉しい。『富士日記』、一度全編読んでみたい…。2014/06/14

くさてる

6
「富士日記」がメインなので、ほとんど再読だったけれど、やはり武田百合子の文章は、しみじみと良い。書いている本人の自意識を飛び越えて、夫や身の回りの人々から見た本人の姿も透けて見えるような語り口は、真似できそうで絶対に真似できない。選者の川上弘美の言葉も良かったです。2013/03/20

NагΑ Насy

5
こういうアンソロジーが編まれていって古典が生まれるんかなぁ、と読んでいて思う。川上弘美のエッセイかインタビューかなにかで富士日記を知って読んで、次々文庫で出ている文章や娘の花さんの猫や町を撮った写真集や買い求めて、と何年か前にしていたけれど、文庫で読むのと、単行本でアンソロジーで読むのとは印象がずいぶん違う。2013/11/27

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