内容説明
「卵子老化」「出生前診断」「自然出産ブーム」等の過熱報道に潜むワナにご用心！ニセ医学知識、テレビや女性誌のスピリチュアル情報、体験者の間違った一家言…。オピニオンリーダーとしてセックスや産婦人科情報を発信する女医が、自らのマル高妊婦体験を元に、本当に正しい知識を伝える。
目次
そろそろ臨月の産婦人科医です
妊娠までの道のり
８人に１人、に入ってしまいました―妊娠糖尿病の闘病記
妊娠して分かることって？
医者のホンネ―予定日まで１０日切りました
生まれちゃいました！２８８２ｇの女の子です
カンガルーケアを考える―赤ちゃんに愛着が湧いた日
出産は「始まり」でしかない
ほっとしました、１か月健診
忍び寄るセックスレスの影〔ほか〕
著者等紹介
宋美玄［ソンミヒョン］
産婦人科女医・性科学者。日本周産期・新生児医学会会員、日本性科学会会員。１９７６年神戸市生まれ。９４年神戸女学院中学・高等部卒。２００１年大阪大学医学部医学科卒、同年医師免許取得。大阪大学産婦人科入局。０７年川崎医科大学講師、０９年イギリス・ロンドン大学病院の胎児超音波部門に留学。１０年から国内の病院にて産婦人科医として従事。病院で診療に従事すると同時に、セックスや女性の性、妊娠などについて啓蒙活動を積極的に行っている（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
速魚
22
完全医療者側の本、素人はなにも望まず「母子の安全と健康」のことだけ 考えてほしいらしい。 私らしい出産を望んでる方には読まないでいただきたい。 出生前診断についてふれていたので、興味深く読んだ。 中絶するか決めるための検査ではないんだ 胎児の頃に病気を発見して治療するための検査であることを忘れていた。 それでも100％わかるわけではない。 命の選別、神の領域...胸が苦しくなりました。2013/12/30
カッパ
21
私も高齢ですので最近は特に気になります。年齢が全てではないんですけどね。結局はリスクはあがるけど自分のこととして乗り越えていけばいいのではないかな？と思ったわけです。100パーセント正しいなんてことはきっとないんだろうと思う。2018/08/15
なにょう
21
良著。著者は度々怒っている。それはどげんとせんといかん、と思うからだろう。義憤というか。★科学技術が発展して、選択肢の増えた現代に生きる私たちは、医療・出産の場面でも、私たちの意のままになると思いがちだ。妊娠・出産も結婚式や旅行のようなイベントと捉えて思いどおりにしようとする。でもそうはいかないんだ。選択肢ってあるようでないもんだ。感想になってないような感想だけど、以上。2017/11/16
しげ
17
高齢出産だけではなく、出生前診断や自然出産ブーム、カンガルーケアなど、妊娠出産に関することがらについて幅広く言及されており、とても興味深かったです。過剰に「私らしさ」を求めたお産や「自然出産はそれ以外の出産より豊かだ」みたいな考えをガツンと一喝していてとても痛快でした。出産を「自分を高める豊かな体験」と必要以上に美化したり「リスクだらけの危険なもの」と必要以上に怖がらせたりする、メディアの極端な誇張に惑わされないようにしようと思いました。2013/08/19
Taka
13
産婦人科医かつ高齢出産を経験した著者の考えに触れられるのはこの不安な世の中でなんとありがたいことか。妊娠初期の流産をしやすい時期を乗り越えてしまえば、マル高と言えどほとんど普通の妊婦と同じ。自然な特別な妊娠や出産に拘泥するのは自分が特別なものと思いたい気持ちがあるんじゃないか。母子共に健康なのが一番大事なのではないか。クアトロテストは受けてみようと思っていたけどその後堕胎をどのような気持ちで選択するばいいのか考えて今はわからない。知を愛する私と同じようにこの世の中を見てほしいというのは押し付けなのではと2023/12/28
