中公新書<br> 野球と戦争―日本野球受難小史

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中公新書
野球と戦争―日本野球受難小史

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  • サイズ 新書判/ページ数 264p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121020628
  • NDC分類 783.7
  • Cコード C1275

内容説明

大リーグでの日本人選手の活躍、WBCでの連続優勝…。日本の野球は世界の頂点を極めつつあるように見える。ただ、その歴史に暗黒の時代が刻まれていることを知る人は少ない。昭和七年、学業軽視、選手獲得に金銭が動くことを懸念した文部省は「野球統制令」を公布。さらに、泥沼化する戦況のもと、野球部排撃の動きが全国に広がった。粛正、弾圧を潜り抜け、物資窮乏の中、焦土の上に復活する苦難の日々を史料と証言で辿る。

目次

1 浄化(野球新時代へ―昭和二年;沸騰する人気と統制令―昭和四‐七年 ほか)
2 弾圧(野球部解散―昭和一五‐一六年;甲子園大会中止―昭和一六年夏 ほか)
3 消滅(文部省の戦時体育論―昭和一八年春‐夏;最愛の道具との別れ―昭和一八‐一九年 ほか)
4 復活(野球再開の動き―昭和二〇年八月;新興野球部の奇跡と偶然―昭和二一年四月 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

takao

3
ふむ2022/10/25

清田

2
★★★★☆ 昭和初期から1946年までの野球にまつわる出来事を、小史としてまとめたもの。旧制中学・大学野球が大半を占めており、プロ野球については同著『背番号なし戦闘帽の野球』に譲っている。特筆すべきは戦時下・終戦直後における各校野球部の対応、及び1946年の中学優勝野球大会について。前者では練習試合などの非公式戦の記録まで及ぶ。後者では部活動の再開から始まり、全国大会出場決定、遠征中の悲喜こもごも、そして故・平古場昭二にまつわる証言。ここまでを当時の野球部員への取材の下、丹念に拾い上げている。2021/07/14

akisaito

2
元巨人軍球団代表による戦中戦後の野球史.興味深いエピソードも多く,読み易くまとまった良書.戦前の野球がいかに異常な状態であったか,戦前~戦中の野球弾圧の一環として語られることの多い野球統制令が,実際の運用はともかく,制定時点では球界の健全化に寄与すべく定められたものだということもよくわかる.個人的に面白いなと思ったのは,甲子園も六大学も中止になった後でも,軍では野球が行われていたこと,関東大震災時の大杉栄殺害で知られる甘粕正彦が満州に球場を作って野球大会を開催していたことあたりか.2011/06/19

志村真幸

1
 著者は読売新聞のひとで、巨人軍代表を務めたことでも知られる。  本書は、太平洋戦争期の野球に関する歴史的エピソードを並べたもの。昭和2年から21年までをとりあげ、「浄化」「弾圧」「消滅」「復活」という4つの側面から描きだしている。  甲子園、大学野球、大学野球が主。少しだけ社会人野球についても。  書きぶりはいかにも新聞記者。事実を羅列しているだけなのに、きちんと読ませる文章になっている。ただ、戦争や歴史的背景については表面的に撫でるだけ。もっと踏みこんだ分析がほしかった。2020/01/25

shinomiya

1
早慶戦 高校野球 戦前から愛されてきた野球も敵性スポーツとして迫害されたのが時代とはいえ極端な思考に流されていく残酷さを感じた 学徒出陣された方々に哀悼の意を表します2017/11/02

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