Inside histories
異端審問―大国スペインを蝕んだ恐怖支配

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  • サイズ B6判/ページ数 525p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120041556
  • NDC分類 236.05
  • Cコード C0022

内容説明

宗教的大義よりも王権強化や植民地拡大といった政治目的と強く結びつき、最も過酷に、永年存続したイベリアの迫害制度。その「不寛容の歴史」を豊富な事例で語る。

目次

寛容の終わり
燎原の火のごとく
拷問される正義
逃避行
内なる敵
恐怖が世界を覆う
イスラムの脅威
何が何でも純潔を
生活の隅々まで
恐怖を生む組織
知の脅威
神経症的社会
妄執
恐怖の失敗、失敗の恐怖

著者等紹介

グリーン,トビー[グリーン,トビー][Green,Toby]
1974年英国生まれ。歴史家、作家。99年に、ダーヴィンの南米調査の足跡を、当時にならい馬でたどった記録Saddled with Darwinを著し、高い評価を得る。アフリカとラテンアメリカの各地を旅行した後、現在はイングランド西部で家族と暮らしている。2007年から英国学士院フェローとしてバーミンガム大学で研究

小林朋則[コバヤシトモノリ]
翻訳家。筑波大学人文学類卒。新潟県在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

人生ゴルディアス

5
ピレネー以北の魔女狩りについての本は読んだことあったけど、スペインあたりのことは疎くて、異端審問についての本はきちんと読んだことなかった。本書はどちらかというと文学作品に近く、著者の私見が色濃く入っている。それでも、あるいはそれ故に当時の情景がなんとなく思い浮かべられて、さくさく読めた。異端審問が苛烈を極めた理由は、政治的・権力欲的な側面が多そうな感じ。スペインが衰退した理由もこのあたりなのかなとか。本書の一番大きな収穫は、ややこしかったモリスコ、コンベルソ、モーロ人について理解が整理できたことかな。2016/08/06

ルナティック

2
異端審問を政治(支配)のひとつの手段としているのでは?と言う考えが気に入りました。純粋に宗教の問題、では片付かない側面があるのは承知していましたが、また様々な考えを読めたと言う満足感があります。難を言うなら、地域(スペイン・ポルトガルと新大陸)をあちこち転々としながら述べている点と、時代もちょっと前後する点が・・・2011/08/16

小池馨子

1
ちょっと主観のようなものが強い?恣意的なにおいが拭えなかった。ずいぶん時間がかかってしまったので胡乱です。以下、なんだかな〜と思った箇所。p.418「この女性は、さぞ惨めな思いをしていたことだろう。だが、悪魔の誘惑に屈したことで、幸福感も得たに違いない。少なくとも自分の感情をなんとか表現することができたのだから。」p.472「「きっとこの神父様は、これを自分の部屋に置いてこっそり楽しみたいんだよ。」」p.473「「誇り高く気高いスペイン人は、自ら学んだり旅行したり、他人と交わったりすることを恥じる。」」2011/02/05

塩崎ツトム

0
時の超大国スペインが、外患ではなく他者への不寛容により衰退していく様を当時の資料を元に詳細にまとめた貴重な資料。読んでいるときに丁度生活保護をめぐる某コメディアンへの集団リンチがTVをにぎわせていて、我が国も不寛容のバケモノに蚕食されているのかと思い、暗い気分になる。2012/05/26

saimoon

0
もともとノンフィクションは読まない人間なんだが、これはすごく読みやすかった。迫害機関だけがあってどれだけ民衆に押しつけても成立はしない、次々と「敵」を変えていく迫害機関より、むしろそれを支えた民衆の集団心理が怖かった。2010/11/03

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