新潮選書<br> 資本主義の「終わりの始まり」―ギリシャ、イタリアで起きていること

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新潮選書
資本主義の「終わりの始まり」―ギリシャ、イタリアで起きていること

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  • サイズ B6判/ページ数 255p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784106037191
  • NDC分類 302.395
  • Cコード C0333

出版社内容情報

EU金融危機の本質とは、単なる財政破綻問題ではなく、現代資本主義が変容する前兆だ。資本主義の「次の形」を模索する行動的論考。

いま南欧に在る危機の真の意味と、「来るべき世界」の可能性とは? EU金融危機の本質とは、単なる財政破綻問題ではなく、資本主義そのものが変容する前兆ではないか? 我々の意識の底で、成長至上主義が終わろうとしているのではないか? ローマ駐在の新聞記者が、南欧の街頭で市民の話に耳を傾け、歴史や哲学、政治、経済などの碩学の知見も集め、資本主義の「次の形」を探求した刺激的論考。

内容説明

EU金融危機の本質とは、単なる財政破綻問題ではなく、資本主義そのものが変容する前兆ではないか?我々の意識の底で、成長至上主義が終わろうとしているのではないか?ローマ駐在の新聞記者が、南欧の街頭で市民の話に耳を傾け、歴史や哲学、政治、経済などの碩学の知見も集め、資本主義の「次の形」を探求した刺激的論考。

目次

第1章 アンゲロプロスが遺した言葉
第2章 危機の中の緩く、もの悲しいギリシャ
第3章 捨てられた首相
第4章 福島の影響
第5章 「扉」の手前で何かが動き出した
第6章 「扉」の向こう側
第7章 家族、コミュニティーの復活
第8章 資本主義の危機
第9章 イタリア、ギリシャとつながる福島

著者等紹介

藤原章生[フジワラアキオ]
1961年生まれ。北海道大学工学部卒業後、住友金属鉱山の技師を経て毎日新聞記者。アフリカ特派員、メキシコ市支局長の後、2008~12年、ローマ支局長。『絵はがきにされた少年』(集英社)で第3回開高健ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

放蕩長男

9
かなりの間積読していましたが、読了。ユーロ圏で経済的危機に陥った、ギリシャとイタリアについて、日本とは違った文化、環境を、現地の人々へのインタビューを交えながら書いた本です。資本主義と題名に書いてはいますが、経済的考察は薄く、イデオロギーに重点を置いています。良くも悪くも、国民目線で見た政治経済への意見集です。マクロ目線の分析ではないので、ご注意を。2017/08/26

T坊主

5
タイトルにつられて読んでみた。1)今起きている危機は”債務危機”と呼ばれるが、これは”政治危機”ではないか。未来への羅針盤を示す事のできる政治がどこにも無いから、経済の問題が解決しない。2)欧米諸国は将来消費を少なくし、資源を少なめに使う事に慣れなくてはならない。政府はもう前程何かを国民に与える事はできない。精神的,価値感を約束する時代になる。3)未来をどこから探るのか?それは過去の中から見出す以外にない。==江戸時代が注目されるのでは==4)グローバル化で壊されたものを、人々が掘り返す時代に入った。2013/04/19

やす

3
先進国の経済成長率は日本だけでなくどこも頭打ちとなり、資本主義のテーゼが成り立たなくなっている。「生めよ殖やせよ」の物語は終焉を迎え、新たな物語が必要となるのだ。ギリシャ、イタリアといったGDPを上昇させるため国による投資が通貨危機を生んでいる国で人々は何を思い、日々暮らしているのか?というレポート。生産性や効率といったものではなく人と人との関わりを大事にしていくという価値転換が必要だし、そういった萌芽はみられる。いや、結局、生産性だ効率だと騒いでるのは資本とその走狗たちだけだとおもうけどなあ。2015/12/02

かず

3
日本も国債をいっぱい発行した いろいろな手法で、終わりの始まりはまた遠のいた。2015/06/13

壱萬弐仟縁

3
空洞化はウソの本の後に読むと、内憂としての福一原発事故はなおも重い。和僑では見捨てることになる。ギリシアやイタリアの国民投票のことが書いてある。イタリアは地方分権が進み、財政連邦制が展開されている(107ページ)。イタリアに日本の地方の活路を学ぶべきだろう。冷酷、非合理な資本主義の展望は、宗教で信仰(198ページ)。福島とイタリア、ギリシアがつながっているとは重要な認識(223ページ)。求められることは、イタリアも四十路より後の世代がどのようにこれからの社会を担っていくか。そのための国際協力が必要だろう。2013/01/13

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