出版社内容情報
「月並で見るに堪えず」と子規が切り捨てた江戸後期から幕末・明治の俳句。だが意外にも名句秀句の数々が! 子規の功罪を問い、俳句文芸の豊穣を再発見する。
内容説明
子規に「卑俗陳腐」と一刀両断された江戸後期から幕末・明治の俳句。だが意外にもそこには「名句好句」の数々が!松山藩家老奥平弾正、最後に幕臣中島三郎助、土方歳三、漂白の俳人井上井月、さらには無名俳人や女性たちの秀句…。芭蕉・蕪村・一茶の「ビッグ3」から近代俳句の父・子規へ、滔々と流れる俳句史から「消された百年間」を鮮やかに蘇らせる。
目次
未知の空間に出会うまで
子規の言う「卑俗陳腐」とは
「近代俳句のあけぼの」
幕末伊予俳壇の二巨星
五稜郭決戦前の句会
政治にもまれて
美文調の敗北
老鼠堂永機vs正岡子規
宗匠の怪我の功名
井上井月という俳人
井月の句、普通の人の句
俳句維新へ、子規の戦い
主流はいずこに
著者等紹介
今泉恂之介[イマイズミジュンノスケ]
1937年東京生まれ。上智大学文学部独文科卒業後、日本経済新聞社に入社。運動部次長、社会部編集委員を経て、論説委員として朝刊コラム「春秋」を担当。その後、中国河南省鄭州大学客員教授、流通経済大学教授を務め、2007年、全国初となる俳句振興のNPO法人「双牛舎」を立ち上げ代表理事に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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新橋九段
1
子規が卑俗と捨てた俳句の中にも見るべきものは多くあった。子規が病床にあって俳句改革を焦ったために生れた強気の批評に、後世の文学者がろくな検証もなくのっかたが故の誤解かな。2014/12/04
紫暗
1
タイトル通り子規が何故、どうして、どうやって何を葬ったのかが分かりやすく書いてあったと思います。著者は国文学者でも俳句の宗匠でもないのですが、専門家ではない故の視点が話を分かりやすくしていたように思います。専門家にありがちな思い込みや権威ある理論に左右されないものの味方と、徹底した資料調査には脱帽です。俳句一つとってもその価値というのは見る人間によって大きく変わるのだと気づかされた一冊でした。2012/04/19
アオヤギ
0
タイトルから想定していたものとは少し違ったけれど、全く知識のない範囲を知ることができてよかった。どれが月並でどれが月並じゃないか自分で判断できる知識があればもっと面白く読めたはず…。2012/07/14