内容説明
商才はなくとも画才はあった!青物商から絵の道へ転じて大ブレイク、18世紀の京都を舞台に奇奇妙妙の絵筆をふるった画家の人生と作品を徹底紹介。
目次
人生篇1 青物問屋の若旦那、転じて画家となる
これぞ旦那芸の極致畢生の大作『動植綵絵』
空前絶後の絵画テクニック
73年間も行方不明だった『菜虫譜』
人生篇2 火事も病気も乗りこえて斗米庵若冲翁の矍鑠たる晩年
片隅的世界に見る無限の宇宙
斗米庵読み解き事典
著者等紹介
狩野博幸[カノヒロユキ]
1947年福岡生まれ。日本近世美術史専攻。九州大学大学院博士課程中退。京都国立博物館(美術室長・京都文化資料センター長)を経て、同志社大学文化情報学部教授。専門は桃山絵画と江戸絵画(浮世絵を含む)。狩野派・長谷川派・琳派・18世紀京都画派(狩野永徳・長谷川等伯・俵屋宗達・尾形光琳・伊藤若冲・曾我蕭白・長澤蘆雪・葛飾北斎・歌川広重ら)の作品と伝記を研究
森村泰昌[モリムラヤスマサ]
美術家。1951年大阪生まれ。両親は緑茶商。京都市立美術大学卒。高校、大学の非常勤講師を経て、1985年の『肖像(ファン・ゴッホ)』を皮切りに、写真によるセルフポートレート作品を次々に発表。「美術史シリーズ」や「女優シリーズ」で知られる。1988年、ヴェネツィア・ビエンナーレのアペルト部門に出品、国際的な注目を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
147
若冲を初めて知ったのは、澁澤龍彦の『空想美術館』でだった。その頃は今ほど注目されていなかったと思うが、昨今の若冲人気はまさにブームといっていいほどである。確かにそれも無理もないことであり、若冲は知れば知るほど驚きの増す画家だ。彼の絵を代表するといってもよい鶏の画をはじめとして、その細密な写実を超えた写実は、ただただ黙するばかり。また、その世界は実に広く、南画を想わせる水墨画もあれば、鮮やかな版画もある。また、例えば「付喪神図」(福岡市博物館)のように、あたかもピカソを先取りしたかのようなものまであるのだ。2014/01/13
ナイスネイチャ
137
図書館本。鮮やかで繊細でかつ躍動感ある作品です。若冲の小説を早く読みたいです。2015/06/10
鱒子
28
図書館本。若冲の画集は何度か観たことがあったのですが、人となりに触れた本を初めて読みました。若くして青物問屋の旦那でお金持ち、しかし、学問がキライで、女性も酒も興味ナシ、コミュ障でヒッキー気味、愛するのは絵だけという江戸時代のオタク。なかなか面白い人物です。この本は絵の見易さなどより、若冲という人物に重きを置いた本です。とても面白かったです!2016/05/05
夜長月🌙@5/19文学フリマQ38
25
生誕300周年ということでブームになっている「若冲」のにわかファン。若冲といえば一に「動植綵絵」。二に白象で有名な「樹花鳥獣図屏風」もしくは「鳥獣花木図屏風」。鳥獣の方は真贋が問われているものの一度は見てみたい。2016/01/31
鯖
23
作品をバラバラで見たことはあったが、まとめて見たことはなかったので。相国寺の作品展行けばよかったなあとしみじみ。鳥のふっくらとした羽毛、魚類や両生類のぬめっとした肌の質感の違いがすごいなあと思う。動物も植物も若冲の描く生き物は生を満喫してるよなあ…。またどこかで作品展がありますように。2015/01/30