北方領土交渉秘録―失われた五度の機会

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  • サイズ B6判/ページ数 429p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103047711
  • NDC分類 319.103
  • Cコード C0095

内容説明

2001年3月、北方四島は戦後、最も日本へ近づいていた―。領土交渉に外交官人生を懸けてきた人物だからこそ語りうる、迫真の外交ドキュメント。

目次

ソルジェニーツィンにならって
ロシアとの出会い―青年外交官時代
ゴルバチョフ書記長の登場
ゴルバチョフ大統領の日本訪問
ロシア連邦の成立
ロシア「九二年提案」と東京宣言
ロシア内政の季節
エリツィン第二期政権の始動
クラスノヤルスクと川奈
プーチン首相の登場
プーチン政権との交渉開始
イルクーツクへの七カ月交渉
二〇〇一年三月イルクーツク
二〇〇五年三月モスクワ

著者等紹介

東郷和彦[トウゴウカズヒコ]
1945年生まれ。1968年東京大学卒、外務省入省。三回の在モスクワ大使館勤務、ソ連課長、欧亜局長など、ロシア関係で、合計十七年間を勤務。その他、条約局、経済局、在米大使館などで勤務。オランダ大使を最後に、2002年外務省を退官。その後、ライデン大学、プリンストン大学、淡江大学(台湾)で教鞭をとり、現在カリフォルニア大学サンタ・バーバラ校客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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mitei

104
著者が自ら関わった北方領土問題の話をまとめた一冊。宗男事件に巻き込まれて職を追われた後、現在京都産業大学教授、世界問題研究所所長と在野の立場から今もなお北方領土問題に関わろうとする姿勢は共感を覚えた。五度も機会があったのに取り返せないのは日本に問題があったのかもしれないが、ロシア側ももう少し歩み寄るべきだと思った。2014/02/04

Miyako Hongo

10
佐藤優の上司だった東郷和彦の本。ソ連からロシアへの転換期、北方領土の返還に最前線で奮闘した筆者と周囲を時系列、時の政治も搦めての回想録。□すげー頑張ったんだって熱量やハラハラ感、もしかしたら返還はあり得たかも、と思わせる下りもあってホントに惜しい。□解説の佐藤勝も書いてるけど、真ん中あたりが読みにくい。上手くいかなかった決定的な原因が明確に書かれてないからフラストレーションたまる(判らないんだからしょうが無いけどね)。うんと硬派のお仕事小説みたいで乗っかると引き込まれる。当事者の証言だから資料として貴重。2019/12/29

Ryuji

9
★★★★☆北海道出身ということもあり北方領土にはとても関心があります。個人的には「四島一括返還」にこだわるべきではないし、また国後・択捉については返還対象になるのかも含めて再検証した方が良いのではと思っています。この本は主に著者が外務省在籍時に関わったソ連・ロシアとの外交交渉について書かれているが、確かにエリツィン・橋本の頃が一番日ロの関係が良かったような気がするしチャンスだったかもしれない。中身が濃い本なので読むのも大変だが、領土問題に関心ある人には一読の価値あると思います。2014/02/16

太田青磁

8
「従って私は、辞表は書きません」しばらくの沈黙の後、私はこう付け加えた。「ただし、外務省において、なんらかの理由によって、『貴方に与える仕事がない』という判断をするのであれば、私は、その判断に従います」〈およそことをなすには、須く天につかうるの心有るを要すべし。……天を相手にして己をつくしてひとを咎めず、我が誠の足らざるを尋ぬるべし〉しかし、数秒の沈黙の後、彼はこう言った。「なるほど、東郷さんは、切腹ではなくて、打ち首を望んでおられるのですね」この言葉を聞いたときに、私の中で何かが壊れ始めた。2016/10/03

ぐうぐう

8
外交とは、なんてナイーブでデリケートなのだろう。ほんの少しのタイミングの遅れや、政局の変化により、交渉がズレていき、合意が遠ざかっていく。五度の絶好の機会がありながら、2001年3月のイルクーツクでの日露首脳会談において、戦後、もっとも北方四島が日本に近付いた日を最後に、北方領土交渉は大きく後退したまま現在に至っている。それは、自国の利益ばかりを追求するあまり、相手国の心情を理解できなかったこそに要因があるとする著者の分析には、外交とは、相手があってこその交渉であることを改めて教えてくれる。2009/05/20

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