新潮文庫<br> ヒトでなし―金剛界の章

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新潮文庫
ヒトでなし―金剛界の章

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  • サイズ 文庫判/ページ数 780p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101353524
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

「死にたいん―です」「なら死ねよ」。娘を亡くし、妻だった人に去られ、十五年勤めた会社を解雇された。全てを失い彷徨していた尾田慎吾は、雨の夜、自殺を図る見知らぬ女にそう告げた。同日、旧友荻野と再会する。彼は、情、欲望、執着を持たぬ慎吾を見込んで、宗教を仕事にしないかと持ちかける。謎めいた荒れ寺に集いし破綻者たち。仏も神も人間ではない。超・宗教エンタテインメント。

著者等紹介

京極夏彦[キョウゴクナツヒコ]
1963(昭和38)年、北海道生れ。小説家、意匠家。’94(平成6)年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。小説界に衝撃を与える。’96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞を受賞。二作を含む「百鬼夜行」シリーズで広範な読者を得る。’97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、’04年『後巷説百物語』で直木賞、’11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞を受賞。’16年、遠野文化賞を受賞している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ぶち

106
読んでいる間、ずっと感じていたのは"仏教の解説書をよんでいるようだ"という感覚。主人公が語る内容、胸の中で思っていることは、まるで仏教の "空" の思想にそっくりです。でも、それらの字面が仏教的でも、やっていることは少しも仏教的ではありません。大乗仏教のキーポイントである衆生を救う菩薩、あるいは慈悲というものを微塵も感じられないのです。まさに、タイトルの "ヒトでなし" そのものです。ストーリー自体は、著者の特色がよく表れた面白いものです。今後どう展開するのかと、続きが読みたくなります。 次は"胎蔵界"?2020/01/24

chantal(シャンタール)

101
「無無明亦無無明尽」京極さんはこの極意を悟っているとしか思えない。捨てるべき煩悩もなければ取るべき悟りもない。従って厭うべき娑婆も無ければ往くべき浄土もない。これは般若心経の小説版だ!何もかもを失い、自分はまともな感情も持てない人でなしだと気付いてしまった慎吾は、そうしたいわけでもないのに、いつの間にか問題を抱えた人たちに心酔され救う羽目に。慎吾の言う事は一々正論だが、感情を持つ人間である私には素直に受け入れる事が出来ない。苦しみたくなければ人でなしになるしかない。でも、私はそれでも人間でいたいと思った。2019/12/29

南雲吾朗

72
0.7京極(約700ページ強)の小説。京極氏の小説としては薄い方であり読み易い。人でなしという割にはかなり道徳的な一面もちらほらみられるが、そんな小さなことを凌駕する奇抜な思想が溢れている小説。人でなし、つまり人でないモノと言う発想は、いかにも京極氏らしい。人でなしっぷりは兎に角凄い、圧巻である、最後は感動してしまうほど、達観している人でなしである。喜怒哀楽、全てを超越?(あるいは放棄)した存在は、そのすべての感情を深くまで知っている京極氏であるからこそ描けるのだと思う。京極氏の小説にハズレは無し。 2019/04/15

ちゃとら

64
京極さん2冊目。京極ファンに言わせると、どうやら私は王道では無いところから攻めているみたい。娘を殺され、離婚し、リストラされた尾田。全てを諦め人生を手放し、ヒトでなしになるが、出会う人たちからは慕われていく。ストーリーは先が読める感じだが尾田の精神は仏教そのもの⁈深さを感じた🙆‍♀️2020/02/25

Kazuko Ohta

54
平成最後の平成最後のって皆うるさいねん!と思いながら、積読の山から平成最後に読む本を選んでいる自分がいます(笑)。無理やり貸されることがなければ手を出すことがなかったであろう京極さん。娘を亡くして妻に離婚を言い渡され、全財産を取られた挙句、仕事もクビになった男の言葉が、妙に心に刺さります。とはいうものの、禅問答のような、屁理屈のようでもある770頁超だから、京極さんを初めて読む人には薦められない。平成に京極さんにくすぐられた人でなければツライのじゃなかろうかと思います。ヒトでなしも悪くはないかもしれない。2019/04/30

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