内容説明
明治28年生まれの祖母は、著者にとっていつも輝ける星だった。青山の大病院のお嬢様として生れ、九歳で齋藤茂吉と婚約。一流を好みながら贅沢を嫌い、権威をものともせず、常に前向きマイペース。関東大震災、病院の全焼、東京大空襲などの災難を、気骨をもって毅然と乗り越え、89歳で大往生を遂げるまでに海外108ヶ国を踏破。気高く烈しいその生涯を孫娘が丹念に綴った傑作評伝。
目次
プロローグ 茂吉の「をさな妻」
第1章 輝子と父の物語
第2章 世界百八ヶ国豪傑旅行
第3章 失われた日記
第4章 追憶の輝子
エピローグ 三十年ぶりに見つけた絵葉書
著者等紹介
斎藤由香[サイトウユカ]
成城大学文芸学部国文科卒。サントリー株式会社に入社(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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井戸端アンジェリか
17
お人形遊びよりも木登り大好きな、古き良き時代のお嬢様あるあるだった。お金持ちゆえの海外旅行の数々にややシラケ、毒舌婆様はマジ長生きなんだよねと、実家ご近所のヨリ様を想う。2020/09/04
カタコッタ
15
本物のお嬢様であったから、自由に旅行ができたんでしょう。あっぱれ、と言いたい女性です。私にはエッセイを読んで知っていたはずの北杜夫の躁鬱病の状態があまりにひどく、驚きました。2019/09/12
kazuさん
13
歴史的な歌人で精神科医である斉藤茂吉の妻輝子のことについて、孫である斉藤由香が描く。主な登場人物は、著者、輝子、輝子の長男斉藤茂太とその妻、次男宗吉(北杜夫)とその妻。由香は次男の一人娘。世界中を旅する活発な輝子と、斉藤家の人々の私生活に於ける交流が生き生きと描かれている。著者の家族史でもある。斉藤輝子は、世間で知られる茂吉の悪妻ではなく、著者にとっては、茂吉を最後まで支えた尊敬すべき偉大な祖母であった。2021/02/03
雨巫女。@新潮部
9
茂太先生と北杜夫さんを生んだお母様に昔から興味あり。実はお二人がお母様を書いた本は、読んでいたんですが。孫の由香さんが、書いたおばあ様を読みたくて、買ってしまいました。パワフルな方で、羨ましい生き方です。2010/12/29
すただすと?
8
輝子はもちろん生粋のお嬢様だが、由香さんも生まれつきのお嬢様なんだなと。でもって、お二人とも率直で、嫌味がなく、好もしい2014/10/02