新潮文庫
日本近代文学の名作

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  • サイズ 文庫判/ページ数 213p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101289236
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0190

内容説明

漱石は『こころ』のなかに江戸と西欧、二つに分裂した倫理観の危機を刻み、川端は『雪国』で、混じり合う男女の性を「浸透力」と捉えた―。明治から昭和までの代表的文学者24人の作品から、「名作」に値する特異な要件を抽出し、近代精神が孕む諸問題を解き明かした傑作論考。独自の着眼と作品への懐深い洞察で、文学の本質を鮮やかに射抜く、吉本文学論の精髄である。

目次

夏目漱石『こころ』
高村光太郎『道程』
森鴎外『高瀬舟』
芥川龍之介『玄鶴山房』
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』
江戸川乱歩『陰獣』
横光利一『機械』
川端康成『雪国』
保田與重郎『日本の橋』
吉川英治『宮本武蔵』〔ほか〕

著者等紹介

吉本隆明[ヨシモトタカアキ]
1924(大正13)年、東京・月島生れ。2003(平成15)年、『夏目漱石を読む』で小林秀雄賞受賞。文学、社会、政治からテレビ、料理、ネコの世話まであらゆる事象を扱う「思想界の巨人」(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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いたろう

63
2000年から2001年にかけて、毎日新聞に連載されたコラムを書籍化したもの。明治から昭和20年代まで、「文学」と銘打っているが、文学に留まらず、評論文もいくつか取り上げているのは、著者らしいところ。夏目漱石、森鴎外、芥川龍之介、島崎藤村、川端康成などの文豪、高村光太郎、中原中也、萩原朔太郎などの詩人、そして、太宰治、坂口安吾など「無頼派」等、論説はなかなか面白く、彼らの本をまた読み返したくなる。意外なところで、大衆小説の吉川英治や江戸川乱歩が入っていると思ったら、これは新聞社から依頼されたものだったか。2020/05/07

JUN

24
近代の日本の作家及び、その代表作を簡潔に解説する流れ。何人か知らない作家もいたが、特に惹かれたのが横光利一氏の「機械」という小説は読んでみたいと思った。作品としては田山花袋氏の「田舎教師」や、小林秀雄氏の「無常といふ事」も読んでみたい。2014/03/04

はちてん

19
吉本氏にハマリ気味だ、今の自分。「岡本かの子」に納得。知らない作品もあった、読む。2012/02/18

辺辺

17
面白いし、興味深い一冊。吉本文学論は初読ですが、とても読みやすいし、論理的でわかりやすい。取り上げられている名作24篇の中、詩を除き、ほかの作品を近々読んでみたいと思う。(個人的に、好きな作品を再読する癖があるのに、しかし、夏目漱石の『こころ』の処で、主人公の「先生」と「K」の間に、まさかの「同性愛関係もありうる」という解釈もできるにはびっくり。(純文学を読む時には邪な目と妄想スイッチが入らないよう自粛してるため)とりあえず、「無頼派」と称されてる坂口安吾の『白痴』と、芥川龍之介の『玄鶴山房』が面白そう2016/04/14

佐島楓

17
ちらほらと読んでいない作家がいるので、探したいところ。太宰を「これがわかるのは自分だけだ」と思わせる作家というのは皆さんおっしゃるけれど、そのたびになんだか悔しくなるな。2012/04/25

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