出版社内容情報
英語がしゃべれれば幸せになるのか?
2011年4月より、小学5年生から英語教育が「外国語活動」という名称の正式科目となり、担任教師が英語の教師か否かにかかわらず週に数時間の英語を教えることになる。またユニクロ、楽天といったグローバル企業が2012年より英語を社内公用語にすると発表し、日本人だけ参加する会議でも英語を使用するほか、公式文章はすべて英語化することを戦略としてかかげている。
その一方で、このような英語偏重傾向の反動として、日本語教育を重視し、日本語を保護するべきだ、との意見が言語学者の間でも盛んになっているほか、「ニホン英語」(※日本語文法にのっとった間違いだらけの英語でもよしとする英会話中心主義の英語/例;複数、三人称単数のSは省くなど)を推進する教師を中心としたムーブメントも起こっている。
そこで本書では、朝日新聞(2010年9月3日オピニオン欄)で『(英語の)「幸せな奴隷」になってはいけない』(無自覚に“英語による支配"を受けている日本国語話者を指す)の記事が話題になった著者による「英語支配論」をわかりやすく展開し、経営者、教育者に警鐘を鳴らすだけでなく、一般読者にも危機感を抱かせる貴重な一冊。
内容説明
日本語を護る、日本を護る。英語がしゃべれれば幸せになるのか?楽天、ユニクロの社内英語公用語化に抗議文をつきつけた言語学者が、英語ストレス大国・日本を斬る。
目次
なぜ日本語を護らなければならないのか
第1部 英語ストレス大国・日本の現状―深化する英語支配、後退する日本語(日本語は亡びるのだろうか?―英語の充満と日本語の後退;英語社内公用語化の衝撃―「英語オンリー」か「日本語プラス英語」か?;英語が格差を生み出している―英語が「上位言語」、日本語が「下位言語」;英語教育の早期化と英語による英語教育―「英語が主、日本語が従」への道;国際英語―「第二の英語」の脅威)
第2部 言語防衛論―日本語を護るための言語理論と、五つの戦略(言語防衛理論―なぜ日本語を護るのか?;日本では日本語を使おう―言語防衛戦略その一;日本語本位の教育の確立―言語防衛戦略その二;日本語を国際語にする―言語防衛戦略その三;「日本語保護法」で日本語を護れ―言語防衛戦略その四;日本をもっと宣伝せよ―言語防衛戦略その五)
「平成鎖国」戦略―日本の主体性を貫け!
著者等紹介
津田幸男[ツダユキオ]
1950年、神奈川県生まれ。現在、筑波大学大学院人文社会科学研究科教授。1985年、南イリノイ大学スピーチ・コミュニケーションPh.D.。2003年、韓国嶺南大学校にて講義、2007年サンマテオ大学でフルブライト・スカラー・イン・レジデンスとして講義ほか、各国にて講義・講演活動を行なう(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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