出版社内容情報
言葉の使用と規則の成立。ウィトゲンシュタイン哲学の根幹をなすテーマを、数学の基礎についての思考を土台に展開する魅惑の講義録!ウィトゲンシュタインの講義は、臨場感あふれ、また、哲学の思考の現場を味わえる貴重な記録として有名です。
学術文庫では、先に『ウィトゲンシュタインの講義 ケンブリッジ1932?1935』を刊行しました。これは、中期から後期に向かう時期の、いわゆる「言語ゲーム論」が、彼の中で熟していく過程を体感することができる講義でした。
本書『ウィトゲンシュタインの講義 数学の基礎篇』は、明確に後期に属します。後期の『哲学探究』の思考が、濃密に出てくる講義になっています。
もちろん、死後、『数学の基礎』としてまとめられる数学論の構想の土台となった思考でもあります。
数学基礎論は、ウィトゲンシュタインの主要な関心のひとつでしたが、本講義の魅力は、その内容が、数学の基礎論にとどまらないところにあります。
言語論、規則論といった、まさにウィトゲンシュタイン哲学の根幹にあたるところを、じっさい、どのように思考をめぐらせて熟成させていったのか、その哲学の現場が、まさに実況中継としてみえてくるのが、本講義の魅力です。
もうひとつは、他の講義とちがって、出席している著名な学生たちが、活発に発言し、ウィトゲンシュタインがそれに真っ向から応じているのです。
その中心となっているのは、アラン・チューリングです。チューリングとウィトゲンシュタインの丁々発止を聞いているだけで、哲学の現場を体験できます。
数学の構造と、言葉の使用と、規則の成り立ち、これこそが、いまだに世界中の哲学読者を魅了してやまないウィトゲンシュタイン哲学のエッセンスでした。
講義という現場で、ぜひ、そのスリリングな面白さを味わってください。
コーラ・ダイアモンド[コーラ ダイアモンド]
編集
大谷 弘[オオタニ ヒロシ]
翻訳
古田 徹也[フルタ テツヤ]
翻訳
内容説明
後期ウィトゲンシュタインの記念碑的な著作『哲学探究』で展開される思考は、どのようにして育まれていったのか。「一、二、三…」と数えるとは何をすることか。一対一対応とは。矛盾律とは。数学の基礎についての議論は、言語、規則、命題といった彼の哲学の核心と濃厚に響き合う。後期ウィトゲンシュタイン哲学への最良の入り口となる伝説の講義。
著者等紹介
ダイアモンド,コーラ[ダイアモンド,コーラ] [Diamond,Cora]
1937年生まれ。ヴァージニア大学名誉教授
大谷弘[オオタニヒロシ]
1979年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。武蔵野大学専任講師
古田徹也[フルタテツヤ]
1979年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。新潟大学准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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