出版社内容情報
中世の公家日記と寺院文書から食生活を再現し、酒、醤、味噌、納豆などの製法から発酵文化の歴史を跡付ける。これが日本食の原型だ!日本人は何を食べていたのか。本書は京都・山科家の日記や奈良・興福寺の文書をひもとくことで、中世の公家と僧侶の食生活を再現し、その背景をなす製法の歴史へと接近する。中世から近世にかけて日本酒としてのかたちを整えていく酒。醤(醤油)、味噌、納豆といった大豆発酵食品……。日本の食文化を最も特徴付ける発酵技術と発酵文化の歴史を追い、その原点に迫る。これが日本食の原型だ! (講談社学術文庫)
■【第一章】中世末の食物売りたち
歌合/狂言/供御人と食物
■【第二章】一五世紀公卿の食生活──『教言卿記』『山科家礼記』『言国卿記』
名字の地・山科/教言の晩年/応仁の乱/若き日の言国/供御人たち/惨劇/鞍馬参詣/食物の分類、貯蔵、調理法
■【第三章】一六世紀公卿の食生活──『言継卿記』『言経卿記』
『言継卿記』/言継の食生活/尾張下向/大洪水/子供たちの病気/駿府下向/東寺五重塔の焼失/信長の上洛と岐阜下向/『言経卿記』と言継の死/本能寺の変/京都追放/再び京都へ/東寺五重塔の再建/京都大地震/勅免/言経の食生活/『雍州府誌』と京都の食物
■【第四章】奈良興福寺の食生活──『多聞院日記』
はじめに/食物の種類/天災と飢饉/多聞院の献立/料理の内容とその他の食品/肉食・悪食
■【第五章】中世酒から近世酒へ
日本酒の製造法/京都の酒/僧坊酒/田舎酒とその他の酒
■【第六章】火入れの発展
はじめに/日本における火入れの成立//火入れの温度について/東アジア諸国における加熱殺菌法/日本の火入れの限界
■【第七章】大豆発酵食品
醤油と味噌の製造法/室町時代以後の大豆発酵食品/多聞院の大豆発酵食品/『料理物語』の醤油/ケンペル、ツュンベリーの見た醤油/『和漢三才図会』の大豆発酵食品/酢
あとがき
文庫版あとがき
参考文献
索引
吉田 元[ヨシダ ハジメ]
著・文・その他
内容説明
日本人の食。その原型は中世末にかたちづくられていた。本書は京都・山科家の日記や奈良・興福寺の文書をひもとくことで中世の公家と僧侶の食生活を再現する。中世から近世にかけて“日本酒”としてのかたちを整えていく酒。日本食を最も特徴付ける醤油、味噌、納豆などの大豆発酵食品。発酵技術の歴史を跡付けることで、日本の食と酒の原点に迫る。
目次
第1章 中世末の食物売りたち
第2章 一五世紀公卿の食生活―『教言卿記』『山科家礼記』『言国卿記』
第3章 一六世紀公卿の食生活―『言継卿記』『言経卿記』
第4章 奈良興福寺の食生活―『多聞院日記』
第5章 中世酒から近世酒へ
第6章 火入れの発展
第7章 大豆発酵食品
著者等紹介
吉田元[ヨシダハジメ]
1947年、京都市生まれ。京都大学農学部水産学科卒業。同大学院農学研究科農芸化学専攻博士課程修了。農学博士。種智院大学教授を経て2013年に退職、同大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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