講談社学術文庫<br> 満洲―マンチュリアの起源・植民・覇権

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講談社学術文庫
満洲―マンチュリアの起源・植民・覇権

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  • サイズ 文庫判/ページ数 429p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062920384
  • NDC分類 222.5
  • Cコード C0122

出版社内容情報

清朝の発祥から「満州国崩壊」への300年女真族の勃興とヌルハチの登場から、清朝による封禁政策、漢人の大量移住とロシアの進出、そして「満洲国」の崩壊まで、300年におよぶ植民と覇権の歴史。

内容説明

ヌルハチの決起に始まり北京に都を置いた清朝にとって、満洲は聖なる「封禁の地」だった。しかし漢族の入植で満漢の一体化は進み、辛亥革命の後は日中米英露が覇権を争う。狩猟採集を生業とした女真族の故地は、いかにして「中国の一部」となり、「極東の火薬庫」と化したのか。「満珠」建国から「満洲国」崩壊へと至る、世界史の中のマンチュリア通史。

目次

第1章 誕生―清朝と満洲の由来
第2章 封禁―清朝の満洲保護主義
第3章 開港―満洲の世界市場編入
第4章 変貌―漢族の植民と産業発達
第5章 覇権―国際化と植民投資
終章 満洲の「消滅」、そして満洲国へ

著者等紹介

小峰和夫[コミネカズオ]
1945年埼玉県生まれ。東京教育大学文学部卒。専攻は社会経済史。経済学博士。現在、日本大学生物資源科学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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nagoyan

3
優。僕自身、どこでだったか「満洲(州)という地名はない」と教育された記憶がある。しかし、本書を読めば漢族の本拠地とは異なった満洲の独自の歴史を学ぶことができる。明末に明の満洲経略により却って勃興の機会を得た満州族が満洲国、大金国、大清帝国へと発展し、そのために却って父祖本貫の地が漢族の侵入に悩むようになる。しかし、満洲の社会的経済的発展はそのような漢族農民の侵入によるものでもあった。近代に入り、露日帝国主義の角逐の舞台ともなった。満洲の中華本土と異なった歴史・社会を客観的かつ浪漫豊かに描ききる。2011/04/08

壕野一廻

2
満州とは何だったのか。女真の地が中国との結びつきを強めていくプロセスが描かれている。意外だったのは、日本が大豆の搾油滓を肥料として大量に輸入していたこと。また、ロシアがシベリアへの食糧供給の点で満州に依存していたこと。 なんか昔に世界の利害が入り混じった地域程度の理解だった地域について解像度が上がったのがよかった。 中国国内の経済システムについては以前読んだ中国近代史とやや見解が異なるので比べながら読んだが、実際のところどう理解したら良いかはまだよくわかっていない。2022/01/15

ELW

1
 封禁政策の一方での流民、土地所有の実態など勉強になった。大豆が国際貿易市場に組み込まれら時期が印象的。『「満州帝国」がよくわかる本』を 読んでおいてよかった。2016/07/10

Mits

1
いわゆる「満洲」という地方の歴史について、明の末ごろから主に経済や産業の分野に着目して語られています。清の時代に満洲がどう扱われていたのかは知らなかったので、とても面白かったのだけど、「満洲国」の時代を描く「終章」があっさりしすぎてちょっと残念感も。まぁ、そこについては類書が沢山あるのでしょうけど。2011/04/03

うまのすけ

0
16世紀の女真族勃興期から20世紀の満州国時代まで、大河のような歴史絵巻が展開される。圍場や封禁地が設置され全土が旧ソ連の「閉鎖都市」状態だった満州が、大豆粕の登場と漢族の移民がきっかけとなって世界経済に巻き込まれる様子を描く。そういえば日本史Bの教科書にも出てくる大豆粕。肥料は歴史を変えることを実感。少し古い本(1991年)なので、清朝を世界帝国モンゴルの後継者とみなす近年の潮流の影響を受けておらず、その点はちょっと物足りない。2017/08/01

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