内容説明
若き日、『アンナ・カレーニナ』の冒頭に描かれた生牡蛎の描写に生唾を呑み、『夜明け前』に鏤めてある食べ物の描写に文学を読みとる手がかりを得た博覧強記・文芸のグルマン篠田一士が、古今東西の文学作品に描かれた美味・珍味・嘉肴を選びぬき、味わいつくす美食を巡る文学の旅。文学の喜びを語り続けた著者が、読者を洗練された生の充実の時へと誘う、口腹の楽しみを謳ったアンソロジー。
目次
1 食卓につく前に
2 御馳走のメニュー
3 お酒は吟味して
4 まず前菜から
5 スープいろいろ
6 海の魚・川の魚
7 肉料理から架空料理まで
8 デザートの一品
著者等紹介
篠田一士[シノダハジメ]
1927・1・23~1989・4・13。文芸評論家・英文学者。岐阜市生まれ。東京大学英文科卒。1951年、丸谷才一らと同人誌「秩序」を発刊。無類の読書家として知られ、関心は英米文学からヨーロッパ全域、またラテン・アメリカ文学におよんだ。文芸評論では、近代日本の私小説的風士に反撥し、作品に即して文学的経験を語った。音楽を愛好し、食通としても知られた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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