内容説明
自己肯定感をはぐくむためには、いつ、誰が、どのように説明したらよいのか?周囲と違うと気づき始めた子どもへの“説明という支援”の実践本。子どもに合わせて活用できる説明文テンプレート付き。
目次
第1章 「子どもへの説明」という支援
第2章 私たちの自閉症スペクトラム観
第3章 ひな型(テンプレート)を用いた診断説明
第4章 診断名を説明する
第5章 いつ、診断名を伝えるか
第6章 誰が診断名を伝えるか
第7章 診断説明で期待される効果、あるいは診断説明の目的
第8章 診断説明の副作用
第9章 診断説明のあとの支援
巻末付録 子ども向け勉強会資料
著者等紹介
吉田友子[ヨシダユウコ]
1985年、東京慈恵会医科大学卒業。精神科医師。横浜市総合リハビリテーションセンター児童精神科、横浜市北部地域療育センター診療係長を経て、2000年2月よりよこはま発達クリニックに勤務。また1994年より横浜市の福祉保健センターで受診前の親子の発達相談に当たっている。ペック研究所を主宰し、ウェブサイトや講演会での情報発信も行っている。吉田クリニック顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さおり
36
職場本。これはまた、いい本だ。吉田友子先生の本は、わかりやすい。頭のいい人というのは、難しい言葉を使わず下々の者のレベルまでおりてきて語ってくれるものなんだよね。中途半端に賢い上から目線の専門家たちに、爪の垢を煎じて飲ませたいとこだよ。私は頭は良くないが、ずっと変わらず彼らやその家族の支えになりたいと思う。2014/04/07
リノン
28
今まさに告知の時かも知れません。うちの子の「私は発達障害じゃないよ。」の突然の言葉に「そうなの?」と、とぼけてしまいました・・・。全然、告知の準備してなかったのが悔やまれます。小学校生活も5年目になり、不安もなく順調な生活を送れていたのでまた大きな問題にぶつかった感じです。早く勉強しなくては!とても参考になりました。この本を教えてくれた読み友さん、ありがとう!2016/05/17
Natsuko
18
自閉症スペクトラム当事者と家族目線での、「自分の特徴の周囲への伝え方」「診断名の本人への伝え方」がメイン。知的障害をもつと難しい面もあるが、今までと切り口が違う学びとなった。自分がほかの人とはなんか違うと本人が思い始めたころ、「診断を告知」するのではなく、「特徴とその強み弱みを伝える」。どう伝えたらいいか悩む親御さんや関係者のためのテンプレートが便利。「A,、B、…は血液のタイプ、あなたは自閉症スペクトラムという脳のタイプ。手だって、右利き左利きがあり、利き腕でないとうまくできないことが多い」…納得。2024/03/31
オカメルナ
18
とても分かりやすく実践的に書かれています。告知後のフォーローについても触れられており、「どうしよか?」と悩まれている方には、とても参考になると感じた。2011/11/22
いとう
8
著者は告知・説明の時期を、本人が「自分はみんなと違っているようだという気づき」があった時としている。医療者、教師、大人の都合で進められる告知・説明にメリットはない(本書には有害である理由とその具体を掲載している)。 告知・説明は『治療』であるとも述べており、故に子どもの状況や状態に適切に応じて、告知・説明はなされるべきである。もちろん、親の準備性は重要であり、そのために何をすべきかも丁寧に説明している。 そして、説明者の『自閉スペクトラム観』が豊かであることも、本人への告知・説明には必須である。2022/12/28