出版社内容情報
絲山 秋子[イトヤマ アキコ]
著・文・その他
BUFFALO.GYM[バッファロージム]
著・文・その他
内容説明
もちろん人に対してどうでもいいなんて言うのはとんでもなく失礼なことだけれど、どうでもいいって言ったら、この世の中本当に何もかもどうでもいいわけで、それがキミの思想そのものでもあった(「ニート」より)。現代人の孤独と寂寥、人間関係の揺らぎを描き出す傑作短篇集。
著者等紹介
絲山秋子[イトヤマアキコ]
1966年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。メーカーに入社し、2001年まで営業職として勤務する。03年、「イッツ・オンリー・トーク」で文學界新人賞を受賞。同年発表の短編「袋小路の男」で04年川端康成文学賞、05年『海の仙人』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、06年「沖で待つ」で芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
253
5つの短篇を収録。この作家の他の作品とは、幾分趣きをことにするようだ。表題作などは、とらえようによっては重いテーマだが、他の4篇を含めていずれも軽やかなタッチで描いていく。文体は、いつもの絲山秋子調。「ニート」と、その続編「2+1」は、やるせなさが横溢する小説。2人に煩悶のないところに、読者であるこちらの方が煩悶しそうだ。「愛なんかいらねー」は、絲山秋子の中では異色の小説。スカトロジーと鶏姦を題材に、いわば不毛の愛を描く。そうしてみると、この作品集の全体を貫流するテーマは、愛の不毛ということになろうか。2014/07/03
めろんラブ
88
クリスマスムードを一蹴する短編集。なぜ今日読んじまったんだ、私。『不愉快な本の続編』の前日譚「愛なんかいらねー」を早く読みたいがためだったのだが、ブッシュ・ド・ノエルのチョコレートクリームが・・・台無しだー!とはいえ、行き場がなく漂うように生きる若者の寄る辺なさを、情感を排した端的な文章の積み重ねでリアル&ドライに表現し尽した素晴らしい作品群に魅了されたのも確か。メインストリームから外れた人々の孤独がどうにも切なくて、ふと見上げた空は、作品世界に似た曇天。2012/12/23
ゆのん
73
初読みの作家。少ないページに比べて中身は重厚。5編から成る短編集だが、一つ一つの話は進むごとに徐々に壮絶になってゆく感じがした。様々な生き方や人生があり、様々な愛の形がある。『ニート』『ベル・エポック』は切なさがあり好き。最後の『愛なんかいらねー』は苦手。32019/01/04
sk4
60
ごおぉぉ〜!汚ねえ〜〜! 汚物耐性の低い人にはオススメしません! とは言え、人間、キレイな生き物では決してありません。 介護はした事がありませんが、子どもを育てた事はあります。思い返せばウンコ・しっこ・ゲロ・自己愛・トラブルとの付き合いではありました。 でも子供ではなく、そういう大人との付き合い・・・ 愛される事だけが当然と思う人には「無いわあ〜;><」なんだろうけど、ダメ男に振り回され続ける女とか、超絶自己中女にずっと我慢してる男とか現実いるからね。 ダメな大人を受け止める人。そっち側の人のハナシです。2013/07/12
ピロ麻呂
54
ニートかぁ。働かずに楽して生きたいと思うけど、それってつまらない人生では?つらいことや悲しいことを乗り越えてこそ、うれしさや楽しさが何倍にもなると思うけど。そういえばニートって男性ばかりのイメージ(^_^;)最近の男性はメンタルが弱いんやよ~そんなダメ男を好きになる女性は母性本能から?2018/01/16