角川文庫<br> ラスト・タイクーン (改版)

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角川文庫
ラスト・タイクーン (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 308p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784042155065
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

ハリウッドでその名を知らぬ者はいない大物プロデューサー、モンロー・スターの栄光と挫折、亡き妻の面影をもつ未亡人との情事、そして死を、ひとりの少女の視点を通して描く。フィツジェラルドは心臓発作に襲われ急逝するまで、自身の傑作『華麗なるギャツビー』を超えたいと本書に全力を傾けていた。遺された原稿と創作ノートから、本書がいかに素晴らしい作品となりえたかは想像に難くない。まさに未完の最高傑作である。

著者等紹介

フィツジェラルド,スコット[フィツジェラルド,スコット][Fitzgerald,Francis Scott]
1896年、ミネソタ生まれ。ヘミングウェイとともに「失われた世代」の作家として知られる。大学在学中から小説を書きはじめ、一躍時代の寵児となる。が、のち人気を失いハリウッドの台本書きに転落する。1940年、最後の力を傾けて執筆していた『ラスト・タイクーン』が未完のまま、心臓発作で死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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藤月はな(灯れ松明の火)

78
フィッツジェラルドの遺作とも言われる未完の作品。残ったノートやプロットから研究者、翻訳者からも「素晴らしい」と絶賛される。しかし、人物像が汲み取れず、「そんなに凄いか?」と思ってしまう。(個人的に『夜はやさし』が好きなので)特にハリウッドシーンは何故か、目が滑って頭に残らない。作家連合との遣り取りはフィッツジェラルドの経験かな。しかし、亡き妻に似ている未亡人、キャサリンとの勘違いを通しての出会いと交歓は本当に瑞々しい。短い時間をやり繰りして浜辺で寝る場面の破滅へと落ちないように縋る刹那の幸福感に侘しくなる2021/04/07

ふみふみ

10
フィッツジェラルド未完の長編小説。ハリウッドを舞台にした映画関係者のドラマですが読み進んでも一体何の話をしてるのかさっぱわかりません。そして第5章で突飛に現れる流麗なリズム、モンロー・スターとキャサリンの恋の駆け引きのシーンは終始喧騒な語の中でオアシスが出現したような趣がありました。あの場面だけが私の好きなフィッツジェラルドのスタイルだったなと。2021/01/16

29square

5
ギャツビーと同じ素材(理想を求める男、取り戻せない過去、航跡に浮かぶ塵のような周囲人物、崩壊と喪失)なのに全く違うモザイク模様を魅せる作者に感服。モンローはギャツビーと違い確かな足場を持つ人間だが、その分、その崩壊への過程はまた哀しい。

Y

4
フィッツジェラルドの本に出てくる男の人−モンロー・スター、ジェイ・ギャッツビー、ディック・ダイヴァー−は、ある種の孤独を抱えてる。それはフィッツジェラルド自身が抱えた憂鬱に包まれた孤独なのかもしれない。2016/03/19

Mana

3
フィッツジェラルドの未完の遺作。ハリウッドを舞台に、プロデューサーの娘で頭部の大学に通うセシリアの語りで話が進む。巻末に50ページくらい、フィッツジェラルドの推敲ノートもついている。パーキンズの本で、今までのフィッツジェラルドの作品の中で一番良いものになりそうだったって書いてあったけど、主要人物が多くて、場面もコロコロ変わるのでややこしくて今一。でも文庫じゃなくてハードカバーでじっくり読めば、感想もまた変わるかも。2016/12/18

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