内容説明
私たちはすでに人工知能と雑談している。タスクをこなすだけでなく、AIに個性を宿らせ、人間の感情を理解できるようにしたメカニズムとは。マツコロイドの対話機能開発、プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」の研究者が舞台裏から最前線を明かす。
目次
序章 雑談AIの登場
第1章 雑談を可能にする仕組み
第2章 発言の理解と対話相手の理解
第3章 自然な発言を生成する試み
第4章 対話破綻という困難
終章 社会の一員となる雑談AI
著者等紹介
東中竜一郎[ヒガシナカリュウイチロウ]
慶應義塾大学環境情報学部卒。同大学大学院政策・メディア研究科博士課程を修了し、博士(学術)を取得。日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所・NTTメディアインテリジェンス研究所上席特別研究員を経て、名古屋大学大学院情報学研究科教授。NTT客員上席特別研究員、慶應義塾大学環境情報学部特別招聘教授。専門は対話システム。平成28年度科学技術分野の文部科学大臣表彰「科学技術賞(開発部門)」受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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zoe
20
雑談は現AIにとって容易ではない。価値観を理解し欲求を生成するレベルに達することで違和感ない雑談が可能となるだろう。現時点では、会話のテンプレート、発話抽出(対象データ、検索、ランキング)、発話生成(トランスフォーマーからの単語出力)、キャラ付け。IPホルダーと共同実験によるなりきりAIアルゴリズムの構築。受動会話では続かない。主体的な発信ができるような段階へレベルアップしていく。その先は、窓口応対や教育・相談ができるレベル、さらに議論・交渉・立案できるレベルへと進む。それがAIのロードマップ。2023/01/21
碧海いお
12
マルコロイド!懐かしい! アマデウス紅莉栖は知ってましたけど、あやせAIは知りませんでした。 アニメの世界に近づいているとは思うのですが、雑談というか臨機応変のことは難しい気がしますけどね。2023/05/21
mim42
6
雑談ボットの現在過去未来。雑談をするとは?なぜ雑談が存在するのか?対話の共通基盤をどう調理するか?ボットの意図をどう表現するか。ヒトがボットにメタなゴールを与えると、あとはボットが環境に応じて詳細な意図を勝手に組み出すとか。30年後の世界から振り返ると確実に牧歌的議論。2021/12/26
どん
5
AIによる会話もここまでできるようになったのか、すごいなという感想。 ディープラーニングやビッグデータなど技術の進歩は大きな要因だし、アレクサ・プライズや様々なイベントで技を競い進化させている。技術だけでなく言語学や人間の感覚を、うまく取り入れて、より自然な対話ができるよう工夫されている。 コンピュータ相手だと引いてしまうこともあるが、逆には発言しやすい場面もある。これからコンピュータ、AIとどう付き合っていけるのか、とらえ方次第、楽しみな世界。2021/05/09
の
3
自然な会話とは何か。2021/04/11