報道されない中東の真実―動乱のシリア・アラブ世界の地殻変動

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  • サイズ B6判/ページ数 319p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784023312920
  • NDC分類 312.282
  • Cコード C0030

出版社内容情報

【社会科学/社会科学総記】シリア問題を契機として、アラブ諸国は合従連衡と離反を繰り返してうごめいている。欧米・日本メディアが報道しない、中東の”真実”とは何か、展望は開けるのか。激変している中東各国の現状を前シリア大使が取材・解説。

内容説明

アサド政権は民衆を抑圧する「悪」なのか、中東問題=シーアとスンニー派の宗教対立なのか、アラブ諸国・欧米・反体制派の思惑は何なのか?2014年春、潜入取材敢行。元在シリア大使が欧米・日本メディアが報道しない中東問題の「実態」をリポートする!

目次

第1章 シリア問題の過去・現在・未来(民衆蜂起第1幕―シリア全土に広がる抗議のデモ;民衆蜂起第2幕―国際社会の介入と悪化する情勢;民衆蜂起第3幕―窮地のシリア政府;民衆蜂起第4幕―反転攻勢に出る政府)
第2章 反体制派、それぞれの思惑(シリア国民連合―欧米諸国が認めたシリア国民を代表する団体;自由シリア軍―欧米諸国の支援と期待を背負う;イスラミック戦線―非アルカーイダ系イスラム主義グループ;ヌスラ戦線―アルカーイダ系武装グループ;イラク・大シリア・イスラム国家(ISISあるいはISIL)―アルカーイダを見限ってカリフを頂く国家創設をもくろむ)
第3章 宗教・宗派対立の真実(スンニー派シリア人―割を食わされた人々;アラウィ派シリア人―謎に包まれた存在;シーア派シリア人―殻にこもる人々;シリア人キリスト教徒―歴史に翻弄される人々)
第4章 アラブ世界をめぐる関係諸国の戦略(ロシア―シリア政府を支援する大国;イラン―シーア派ではなく、国益重視の相互関係;イラク―国家分裂の危機に瀕する新たな中東の火種;レバノン―アサド政権と運命をともにするヒズボッラ;米国、英国そしてフランス―シリア制裁を先導する国々の不確かさlカタール―金は力、リージョナル・パワーを目指す;サウジアラビア―老齢の国王が率いるアラブの盟主;トルコ―「ゼロ・プロブレム外交」から「ゼロ・フレンド外交」へ;イスラエル―安全を脅しうる「漁夫の利」;国連―仲介機能不全に陥った事務総長)

著者等紹介

国枝昌樹[クニエダマサキ]
1946年神奈川県生まれ。1970年、一橋大学経済学部卒業後、外務省入省。1978年在エジプト日本国大使館一等書記官、1989年在イラク日本国大使館参事官、1991年在ヨルダン日本国大使館参事官、1991年ジュネーブ軍縮会議日本政府代表部公使。2001年から社会福祉・医療事業団常任顧問。在ベルギー日本国大使館公使、在ベトナム・ホーチミン市総領事を経て、2002年在カメルーン特命全権大使に就任(チャド特命全権大使兼中央アフリカ共和国特命全権大使を併任)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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coolflat

8
シリア内戦における相関関係がよく分かる。シリア反体制派には、欧米が支援する自由シリア軍、非アルカイダ系のイスラミック戦線、アルカイダ系のヌスラ戦線、そして元アルカイダのイスラム国とがあるが、中でも自由シリア軍は、その腐敗と機能不全の実態からシリア国民の期待を裏切り、欧米諸国による支援を難しくしている。シリア政府は自由シリア軍について、ほとんど実体がないと判断しており、米国政府もイスラミック戦線を支援しようとしている。米国の軍事戦略の破綻が内戦を泥沼化させているという事である。イスラム国の台頭もそれによる。2015/02/06

sasha

6
テレビのニュースでシリアのアサド大統領を見る度に思っていた。「この人は報道が言うようにそんなに悪い人なんだろうか」。元シリア大使による本書を読んで納得。政権側にも反体制側にも偏ることなくシリア情勢をレポートしている。イスラムの宗派や反体制派、シリアに係わる各国の解説もあり、中東への知識の欠落を補ってくれる。それにしてカタール。金にものを言わせる国なんだな。アルジャジーラの偏向報道にも絶望したわ。2014/11/17

ちょっかん

3
シリア内戦が始まった当初、アサド政権は悪であり、民衆が政権打倒のために立ち上がった、という善悪二元論で内戦を論じることが一般的であった。本書は、マスコミが報道しないシリア内戦の実情を、在シリア全権大使を務めた筆者の視点で記述された本である。全体を通して、政権擁護の書きぶりに感じるが、信用たる情報と分析により非常に納得させられる内容となっている。また、客観的なアサド政権批判もしており、とても参考になった。2019/11/20

takao

2
ふむ2023/01/15

富士山

2
日本や欧米で受動的にマスコミの報道を聞いているだけでは、遠く離れた中東での出来事を理解することはできないと感じた。本書ではシリア問題が単なるシリア一国内での内戦ではなく、中東・欧州・米ロが絡む複雑な国際関係な中で生じているものだということを改めて認識させられた。2016/05/10

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