出版社内容情報
2797日に及ぶ最長不倒政権を誇り、沖縄返還を成し遂げ、非核三原則でノーベル平和賞を受賞した大総理の研究者による初の本格的評伝。大派閥形成に至る保守の大抗争、「Sオペ」による官邸主導政策の実像、佐藤がなぜ密約、密使外交を生じさせたのかを膨大な資料から明かす。
内容説明
7年8カ月に及ぶ最長不倒政権を担った佐藤栄作。沖縄返還を成し遂げ、非核三原則でノーベル平和賞を受賞したほか、日韓国交正常化も実現している。内政ではライバルの池田勇人に対抗すべく「社会開発」を打ち出し、経済成長を持続させた。その業績は戦後屈指といえるだろう。「Sオペ」やブレーンを活用した官邸主導も、佐藤政権の新しいスタイルである。他方、密使を多用した「核密約」や「繊維密約」、日米安保体制の変質、不成功に終わった対中工作、「人事の佐藤」らしからぬミスやおごりなど、再検討すべき点も少なくない。『佐藤栄作日記』はもとより、新たに公開された「楠田實資料」や外交文書など膨大な資料をもとに、佐藤の全生涯と自民党政治を描きだす。研究者による初の本格的評伝。
目次
序章 華麗なる一族―市郎・信介・栄作の三兄弟と松岡洋右
第1章 鉄道省の「鈍足」、そして「三段跳びの栄作」
第2章 「吉田学校の優等生」―政治家への転身
第3章 「待ちの政治」―岸内閣蔵相から池田内閣通産相へ
第4章 「社会開発」と「自主外交」―第一次佐藤内閣
第5章 沖縄返還と「密約」―第二次佐藤内閣
第6章 最長不倒二七九七日―第三次佐藤内閣
終章 ノーベル平和賞―晩年の栄光と急逝
著者等紹介
服部龍二[ハットリリュウジ]
1968年東京都生まれ。92年京都大学法学部卒業。97年神戸大学大学院法学研究科単位取得退学。博士(政治学)。中央大学総合政策学部教授。日本政治外交史・東アジア国際政治史専攻。著書に『日中国交正常化』(中公新書、アジア・太平洋賞特別賞、大佛次郎論壇賞)ほか多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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