沖縄の新聞は本当に「偏向」しているのか

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  • サイズ B6判/ページ数 302p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022513397
  • NDC分類 070.219
  • Cコード C0036

出版社内容情報

沖縄の新聞報道は、ネットや書籍で批判されることが多い。しかし、沖縄の新聞が伝える情報は、本当に「偏向」しているのか。実際に現場で働く沖縄タイムス、琉球新報の記者へ直接話を聞きながら、沖縄の新聞が生まれた歴史的背景、その報道姿勢を探る。

内容説明

「基地賛成派の意見を封殺している」「事実を捻じ曲げている」―。「偏向」との批判がつきまとう沖縄の新聞報道。沖縄の新聞―琉球新報と沖縄タイムスの記事は、本当に「偏向」しているのか。日本国土の0.6%の面積に、73.8%の米軍基地が存在する沖縄で記者をやることとは。日々現場で取材する地元紙記者に直接話を聞き、沖縄の新聞の歴史的背景、その報道姿勢を探る。

目次

第1章 沖縄に向けられる差別の視線
第2章 捨て石にされ、主権を奪われ続ける島
第3章 沖縄と地元紙がたどった軌跡
第4章 ないがしろにされる自己決定権
第5章 「キチタン」記者と権力との攻防
第6章 地元保守による新報・タイムス批判
第7章 歴史の視座から見えてくる沖縄問題

著者等紹介

安田浩一[ヤスダコウイチ]
1964年、静岡県生まれ。「週刊宝石」「サンデー毎日」記者を経て、2001年からフリーに。事件、労働問題などを中心に取材・執筆活動を続ける。12年、『ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて』(講談社)で第34回講談社ノンフィクション賞受賞。15年、「ルポ 外国人『隷属』労働者」(「G2 Vol.17」「講談社」掲載)で第46回大宅壮一ノンフィクション賞(雑誌部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キク

33
著名な作家に「沖縄のあの2つの新聞はつぶさなあかん」と言われた沖縄タイムスと琉球新報の記者達へのルポ。その作家は読んだことがなく、その真意は分からない。高校で歴史と地理の授業を受けていない僕に、沖縄の歴史的背景と現状についての知識は全然ない。でも、インタビューされた記者の「政権に近い立場の人から、あの発言が出たということは、権力を監視する役割のメディアとして、自分達は間違っていないと嬉しくなった」という言葉がカッコいいということは、わかる。小さな声を真摯に聞くことの重要性を本から学んだ本好きとして、わかる2021/01/17

tellme0112

14
8ページに一つくらい心に刻みたくなる表現が出てくる。p108『沖縄の新聞は偏向しているのかと問われれば、偏向してますと大声で答えたいです。そもそも沖縄を政治の辺境に追いやったのは誰なのかと逆に問いただしたい』p116「『特殊』なのは沖縄の新聞ではなく、沖縄の置かれた環境なのだ」p124百田発言について『政権に近い場所から飛び出したのですから、権力監視を役割とすべきメディアにとっては、ほめ言葉に近いような気もしたんです。沖縄の新聞がきちんと技能している証拠だと思います』2018/11/01

かばお

13
「差別は常に不均衡、不平等な状況のなかで起きる。そのとき、非対称な関係を無視したうえでの『公正・中立』などあり得ない。」「こうした際に両論併記などでお茶を濁すのは、何も考えていない、考えようとしていないことを示しているにすぎない。」(本書p60.,p61)今までの自分をズバリ指摘されて、恥ずかしくなった。沖縄主要2紙で、なぜ反基地に拘らざるを得ないのか。その背景と現実をそこで生活する市民に寄りそう新聞記者への取材で明らかにしている。沖縄の米軍基地問題は、人権問題なのだ。誰のための民主主義か考えさせられる。2017/03/28

ふぇるけん

12
「特殊なのは沖縄ではない。沖縄の置かれている状況が特別なのだ。」百田氏に「つぶしてしまえ」と言われた沖縄の2紙の記者たちが語るそれぞれの熱い思い。しかし、本土との意識の差は一向に縮まらない。辺野古をめぐる機動隊や海上保安庁と反対住民との軋轢。では、自分の街に基地を移設すると言われて「はい、わかりました」と言える県は本土にあるのか。答えなんてすぐには出せないけど、日本人として目を背けてはいけない。2016/10/07

lily

9
最も敬愛するジャーナリストによる渾身の沖縄ルポ。「琉球新報」「沖縄タイムス」の両社は,どこかで仕入れたまがいものの知識をひけらかすのではなく,基地問題を人権問題としてとらえ,地味地道な取材を行い確かな情報を読者に提供する。米兵による少女暴行事件や百田尚樹の発言によって一人,また一人と,沖縄に向けられた差別に向き合って記者として成長していく姿が印象的であった。「偏向」しているのは沖縄ではない。現政権の情報や社会の空気感に踊らされ,わかった風な口を利く私たちである。2019/10/24

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