岩波現代文庫
砂の文明 石の文明 泥の文明

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  • サイズ 文庫判/ページ数 225p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006032470
  • NDC分類 204
  • Cコード C0120

出版社内容情報

9.11事件とアフガニスタン・イラク戦争に触発されて書かれた比較文明論.民族と風土のあり様を「砂の文明」としてのイスラム,「石の文明」としての欧米,「泥の文明」としてのアジアに分類,それぞれの本質をネットワークする力,外に進出する力,内に蓄積する力ととらえ,

内容説明

二〇〇一年の9・11事件とアフガニスタン・イラク戦争に触発されて書かれた比較文明論。民族と風土のあり様を「砂の文明」としてのイスラム圏、「石の文明」としての欧米、「泥の文明」としてのアジアに分類。それぞれの文明の本質をネットワークする力、外に進出する力、内に蓄積する力であると述べ、この十年の世界の動向をふまえて「文明の衝突」論を批判し、「泥の文明」の可能性を追求する。

目次

序章 砂の風土との戦い
第1章 文化と文明の違い
第2章 石の文明―外に進出する力
第3章 砂の文明―ネットワークする力
第4章 泥の文明―内に蓄積する力
第5章 「泥の文明」の中の日本
第6章 文明としてのインド再発見
終章 “砂”と“石”と“泥”の現在―岩波現代文庫版のために

著者等紹介

松本健一[マツモトケンイチ]
1946年群馬県に生まれる。東京大学経済学部卒業。歴史家・評論家・麗澤大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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レアル

73
「文化」と「文明」の違いをまず説明し、イスラム圏を「砂の文明」、欧米を「石の文明」、アジアを「泥の文明」と分類する。住んでいる場所での気候と風土でこれらを考察した文明論は興味深い。サミュエル・ハンチントンの「文明の衝突」についての異論、そして「泥の文明」の可能性についての記述も読んでて面白かったし分かり易い。「ナルホド。。」と納得しながらも、きっと水上にも水上の文明があるはず!ここに描かれていない、海といった水上に暮らしている人たちは「どこのどんな分類なんだろう?」なんて事をふっと思いながら読了。2015/04/17

ガクガク

18
途中かなりの間が空いての読了。著者の講演を機に『日本の近代Ⅰ「開国・維新」』読後から2冊目。欧米を石の文明、アラブ・イスラムを砂の文明、日本を含む東南アジア・南西アジアを泥の文明と定義し、比較文明論を展開する。その論旨は明快で解りやすい。特に欧米の石の文明の特徴を「外に進出する力」とし、欧米が常に外に「牧草地」を求めて領土拡大していったのに対し、泥の文明の東南アジアが「内に蓄積する力」ゆえに守勢に立たされてきた近代の歴史は、説明として首肯できる。砂の文明は自分の海外体験も乏しいためイマイチ理解が難しい。2014/01/31

ポカホンタス

4
タイトルに惹かれて店頭買い。思えば最近、こういう本の買い方していないなあ。内容は現代版和辻哲郎。気候や風土と文明との関連を論じていて、ウンチク本として楽しめた。2012/08/31

お馬

2
この世界の文明は、砂、石、泥の3つの風土によって分けられるという、それまでになかった文明論。農耕文化や自然観の違いが、そこに生きる人間の特質を規定することは当然のことであるから驚かないが、しかし現代の国際情勢をこの視点で説明するから興味深かった。2021/01/16

ぎじぇるも

1
正直誤解やこじつけが多く読む価値はないです。2018/09/14

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