内容説明
少子高齢化や過疎化などを背景に、多くの地域が衰退しているなか、自治体と住民が知恵を出し合い、個性的なまちづくりによって活性化に成功している地域が存在する。これまでの地域政策の問題点を明らかにし、地場産業の復興、持続可能な地域づくりなど、地域が真に再生するために必要な条件を、豊富な事例を示しながら提言する。
目次
第1章 なぜ、地域再生なのか
第2章 人権が保障された地域をつくる
第3章 地場産業で生活できる地域を作る
第4章 自然と共生し、持続可能な地域をつくる
第5章 ヨコ並びでない地域をつくる
第6章 住民の意思で地域をつくる
第7章 地域再生に向けて
著者等紹介
本間義人[ホンマヨシヒト]
法政大学名誉教授。1935年東京都生まれ。早稲田大学卒業。毎日新聞社編集委員、九州大学大学院教授を経て、2006年3月まで法政大学教授。専門分野は都市・住宅政策、国土・地域政策。1984年東京市政調査会藤田賞特別賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Mark
27
過疎化、格差という現実の問題に対して如何にして地域の活性化を図るのか。そのためには、まち作りのコンセプト、グランドデザインが必要であり、これに基づき持続可能社会を構築していくことが重要。地域の地場産業、ブランド化、地域の資源と環境(自然、歴史、文化、風土等)というよう視点から考えること、さらに地域住民の意思と意欲が必要であり、それらの上に立ってはじめて地域創造が可能なのであろうか。いろいろな側面を考えさせられる。2015/01/20
えふ
9
これからのまちづくりに、住民が積極的に関わって行くことの重要性が書かれているので、そうだなーと思いました。ただ、国の政策を批判しかしていないのはどうかと思う。戦後は国全体の復興のため(工業化のため)に画一した開発が必要だったのが、今はある程度開発を終えて、地方ごとの特色を出して行く時代になったということかと。まちづくりの例として取り上げられているものに成功例として説得力のあるものがあまりないけど、住宅政策やら福祉政策やらの方向性はそうだよね、と思う。最低限の住居の保障と、歩いて暮らせる町づくりは大事。2013/10/14
那由田 忠
4
国土計画の専門家が、中央政府が実態も分からずにつくる国土計画に対して、地方の様々な個性的なまちづくりの実例を集めて逆照射しようとした本らしい。批判的なコメントと、個々のまちづくりの紹介が何かアンバランスで、現状の問題点をきちんと解明した感じがしなかった。2014/03/09
はせこー
2
本書を読んで、都会にしかないもの・地方にしかないものを再認識した。 地方の魅力をいかに発信していくかが重要なんだと思う。 少子高齢化が進む日本は避けては通れない道。 もっと深刻な中国の現状はどうなのだろうか。2012/12/02
Yosuke Kasuya
1
地方活性化のカギは、横並びでない地域のアイデンティティーの確立にある…と。2015/01/12