出版社内容情報
たまたま黒い皮膚をもって生まれたという,ただそれだけの理由で,何が故に彼らは言語に絶する貧困と人種差別の痛苦を受けなければならないのか.宿命を負った著者の,忠実な自伝的小説である本書には,いわゆる「黒人問題」の社会的論議はない.むしろ抒情的ともいえる筆致で,読む人すべての胸に訴えつづけてやまない.
内容説明
Change!をうたう21世紀のアメリカ。だが1世紀前は?没後50年になる黒人作家ライト(1908‐60)が証す凄まじい貧困。南部に生まれた気性烈しい子供は、大人への妥協を拒み衝突を繰返す。叔父が殺され初めて人種を意識した事件、南部の苛烈な現実へのめざめを湛えた少年の眼。叙情とバイオレンス漂う自伝小説。