「イスラーム国」の脅威とイラク

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  • サイズ B6判/ページ数 283p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000610087
  • NDC分類 316.4
  • Cコード C0031

内容説明

イラク情勢が混迷の度を深めるなか、非人道的な政策を掲げて勢力を拡大する「イスラーム国」が世界を震撼させている。その実態は?イラクはこれからどうなるのか。第一線で活躍する専門家たちが、イラクの国内情勢のみならず、周辺諸国やアメリカの動向なども視野に入れて多角的に分析。テレビや新聞の報道では得られない突っ込んだ情報を提供する。

目次

序 「イスラーム国」はイラク戦争とシリア内戦で生まれた
第1章 マーリキー政権の光と影―イラク戦争から「イスラーム国」の進撃まで
第2章 隠された二つの「クーデタ」―「イスラーム国」の進撃とアバーディー政権の成立を考える
第3章 クルディスタンとその係争地―「イスラーム国」が独立問題に与えた影響
第4章 揺らぐイラクの石油の支配
第5章 「イスラーム国」とシリア紛争
第6章 「イスラーム国」とアルカーイダ―液状化するサイクス・ピコ体制とカリフ国家の幻影
第7章 シーア派イスラーム革命体制としてのイランの利害と介入の範囲
第8章 「イスラーム国」が浮き彫りにする国際政治の闇

著者等紹介

吉岡明子[ヨシオカアキコ]
1975年生。日本エネルギー経済研究所中東研究センター主任研究員。イラク政治・経済、クルド問題

山尾大[ヤマオダイ]
1981年生。九州大学大学院比較社会文化研究院講師。イラク政治(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

24
吉岡主任研究員; 最大の問題は、クルドの石油開発をイラクのそれとどう統合していくのか(172頁)。高岡上席研究員: 重要なのは、’14年初頭にシリアでスーリーなる人物が暗殺された事件(188頁)。酒井教授: イスラーム国は、巨大な闇経済 と暴力に対する恐怖という非制度化された統治方法によってしか成り立たない非国家主体にもかかわらず、国家のふりができる 国際的未承認状態をものともしない主体(278頁)。つかみどころのない存在と思ったが、怖いのは、追放や殺害し、移住希望者 を海外から受け入れるという。 2015/04/11

ぐうぐう

13
2014年12月刊行なので、日本人拘束殺害事件はこの時点でまだ起きていない。しかしだからこそ、執筆者達は冷静に、俯瞰して、「イスラーム国」を学術的に分析できているのかもしれない(「イスラム国」という呼称を避けたほうがいいという意見に一定の理解は覚えるものの、その代案として「ISIL」「ISIS」、あるいは「IS」と頭文字で呼称する傾向にも若干の違和感を個人的には覚えるので、このレビュー内では本書の名称に倣って「イスラーム国」で統一する)。(つづく)2015/03/04

coolflat

8
イラク戦争が「イスラム国」を生み出したと言っていい。イラク戦争後の民主化によって、スンニ派のバース党は体制から追いやられ、代わりにシーア派中心の政権が成立した。そのことで従来孤立していたイラクが、同じシーア派のイランとの距離を狭め、中東の勢力バランスを大きく変えてしまった。事は単純明快ではないが、ざっくり言うと、スンニ派対シーア派という「宗派対立」の中から、「イスラム国」が出現したというわけだ。因みに「イスラム国」はスンニ派だ。スンニ派だからこそ、シーア派のイラク政府、シリア政府に対し、反体制活動を行う。2015/04/05

乱読家 護る会支持!

3
やはり、宗教的背景、地勢的背景、歴史的背景を理解していない私には、よくわからなかった、、、が、、、わかりたいなぁと思わせるのは、彼らに無気味さを感じるからであって、わかることを諦めたら、恐れるに足らず。。日本人で多神教で特段中東諸国から嫌われているわけでは無い特徴の無い我々(彼らから見て)は、そないに気にやむことはなし。次読もう次。2015/02/20

Kazuo

2
ISの異質性 ①国家主体に依存しない活動。②敵はアメリカではなく、シーア派のような「不信仰者」や、ヤズィード派等の「異教徒」。③イスラエルに対する攻撃姿勢がない。④財源が大きい。  アラブ諸国は安全保障を米国に依存してきたが、米政権の不介入への政策転換は、中東での米国の同盟関係諸国に、大きな衝撃を与えた。特に、エジプトが政権崩壊し、それを「民主主義の成果」として米政権が容認したことは、親米国の間に危機感を生んだ。これは今後、東アジアで起こる事象の先取りである。東アジアでの国際的なテロ対策体制の構築が急務。2015/04/11

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