出版社内容情報
周波数の高い音が低く聞こえる。右にある音が左に聞こえる。存在しない音が聞こえる。そんな不思議な錯聴を体験できるサイト<イリュージョンフォーラム>をとことん楽しもう。聴きどころの紹介から脳の音処理機構の解説まで。
内容説明
存在しない音が聞こえる。同じ音が違って聞こえる。高い音が低く聞こえる。そんな不思議な錯聴を、まずはウェブサイト“イリュージョンフォーラム”で体験してみよう。だが、聴覚とは不確かなものと早合点してはいけない。イリュージョンこそ、わたしたちが生きていくのに不可欠な脳のすぐれた情報処理戦略の表れなのだ。
目次
1 存在しない音が聞こえる
2 声は壊れにくい
3 同じ音が違って聞こえる
4 空間が伸び縮みする
5 時間が歪む
6 高い音が低く聞こえる
7 音を見る、光を聞く
著者等紹介
柏野牧夫[カシノマキオ]
1964年岡山県生まれ。1989年、東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。博士(心理学)。1989年より日本電信電話株式会社(NTT)基礎研究所(現コミュニケーション科学基礎研究所)に勤務。ウィスコンシン大学客員研究員等を経て、現在、NTTコミュニケーション科学基礎研究所人間情報研究部長、東京工業大学大学院総合理工学研究科物理情報システム専攻連携教授。専門は心理物理学・認知神経科学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
33
良く知られている錯視のほか、錯聴というのもある。本書と連動したインターネット・サイトで、それを実際に体験できるところがすばらしい。省資源にもなるし本の価格が上がらないところが非常によい。昔なら付録にCDをつけていたところだろう。ノイズが音の切れ間を埋め、しかも連続した音声に聞こえるのは驚異である。無限音階の音を実際に聴いても、自然に聞こえるし、トリックを知っても錯覚は残る。錯聴は、果たしてそれは耳がだまされていると考えるべきなのか、それとも音の世界を脳が生きるために都合よく聞き取っているというべきなのか。2015/03/28
calaf
6
錯視はそれなりに見かけるけど、錯聴!初めて聞いた。でも、全くその通りだった。。。凄すぎる...2010/11/10
cape
4
柏野先生の講演がおもしろかったので拝読。百聞は一見に如かず、錯視や錯聴を体験してから(しながら)読むとわかりやすい。脳ってかなりあいまい。というか、視覚・触覚・聴覚、いろんな感覚を総合して世界を知覚している、その柔軟性こそが脳の力というべきか。音のきこえ方にも相当個人差があるっていうのは意外ですね。2021/04/21
EnJoeToh
3
楽しい。2011/03/22
まーれ
2
「イリュージョンフォーラム」のwebサイトを見ながら読むとホント面白いです。2011/10/24