内容説明
世界には食料不足に苦しむ多くの人々がいる一方で、日本では米が余り減反政策が続けられ、食料自給率が低下したのはなぜか。日本の農業は経営規模が小さく大型農業機械が使いづらく効率が悪い、欧米のような規模の大きな効率のよい農業経営はなぜできないのか。なぜ、近年食の安全に関わる問題が多発するのか。こういった農業に関わる疑問・関心は多岐にわたる。それを理解するためには、食料・農業・農村の「実態に関する知識」と、その知識をもとに考えを進めるための「経済学的な理論」とが必要である。この本ではこうした「知識と理論を組み合わせた体系」である農業経済学を基礎から説明する。
目次
経済学と農業的世界
経済発展と農業
食料の需要と供給
農業生産と土地
農業の経営組織
農産物の市場組織
農産物貿易と農業保護政策
世界の人口と食料
食生活の成熟とフード・システム
農業の近代化
資源・環境と農業
日本の農業と食料
農業政策と農業経済学
著者等紹介
荏開津典生[エガイツフミオ]
1935年生まれ。59年東京大学農学部農業経済学科卒業。東京大学名誉教授、千葉経済大学名誉教授。農学博士。専攻は農業経済学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スマ
1
日本農業の問題とはぶっちゃけ農業経済学の問題である!! 事前知識は本当にいらないし非常に読みやすい。もっとさっさと読むべきだった、、、全農学徒、いやさ全国民必読の書であろう。2014/09/26
さっちゃん
1
農業の世界にミクロ経済学とマクロ経済学を落とし込んだような教科書。ミクロの部分においてはもしかすると具体的な例に照らし合わせて進んでいくため、ミクロの教科書よりもわかりやすいかも。章末の問題のところで、参考文献としてACチャンの「現代経済学の数学基礎」などが登場するため、個人的に愛着のわきやすい本であった(笑)農業経済学自体が未だによくわからないので、その部分のコメントはスルーで。2013/08/16
ゆーみん
0
納税者負担にしろ、消費者負担にしろ、どうして農業が必要なのか、何のために農業を存在させるのかを社会が選ばないと、農産物市場への政府介入はうまくいかない。
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- 和書
- 犬とハモニカ 新潮文庫