日本語に生まれて―世界の本屋さんで考えたこと

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  • サイズ B6判/ページ数 224p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000242998
  • NDC分類 024.04
  • Cコード C0095

内容説明

世界中どこに行っても、必ず訪れるのは本屋さん。「すみません、本屋さんはどこですか」南太平洋諸島からロンドン、エストニア、オーストラリア、どこへ行ってもそう訊きながらめぐり歩く旅の中で、見えてきた「日本語」の姿とは?ユーモア溢れる文章にのせて、深い問いを投げかける。

目次

はじめに 本屋さんはどこですか―トンガ島とドミニカ島
黒いちいさい魔法の本―ドミニカ島
ベケの内緒の本―マルティニーク島
英語、日本語、カンナダ語―インド・マイソール
あぶない石、あぶない本―オーストラリア中央砂漠
野蛮人と物差し―オーストラリア・メルボルン
だれの筋書きでなんのために―ロンドンの暴動
大切なものを入れる鞄―東京の学生たちと読んだ本
極西としてのロンドン
たわめども折れず―エストニア・タリン
リスの繰り言―マズウェル・ヒルの冬眠
縦書きの世界―自伝、随筆、日本語の声
「わたしたち」のポジション―ラウンドテーブル・ミーティングで考えたこと

著者等紹介

中村和恵[ナカムラカズエ]
1966年生まれ、北海道出身。東京、モスクワ、メルボルン、シドニー、大阪、ロンドンなどに移り住む。東京大学大学院比較文学比較文化専攻博士課程中退。現在、明治大学教授。専攻は、比較文学・比較文化、英語圏文学。詩・小説の創作、食、衣、性など幅広いテーマについてのエッセイも手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

秋 眉雄

23
トンガ島、ドミニカ島、マルティニーク島、インド・マイソール、オーストラリア中央砂漠、メルボルン、ロンドン、エストニア・タリン、東京。比較文学・比較文化専攻、明治大学教授中村和恵さんによる一冊。世界は僕の想像を軽々と超えて多彩であり、また逆に同じようなもので溢れているなということを考えました。非常に面白かったです。短い文章ですが、学生たちと『苦海浄土』を読む『大切なものを入れる鞄』なんかは、ズンときました。2019/12/21

魚京童!

20
淘汰される。自然の習わし。それに抗う言語学。哲学だからね。でももうすぐグーグル語に落ち着くでしょ。そろそろグーグルが新言語を発表して、キーボードを改変して、効率的なムーヴメントを起こしてくれる。そうしたら、日本語だろうが、なんだろうが、関係なくなる。グーグル語になる。そのほうが幸せなのかもしれない。言葉を守れっていうけど、10万人しかいないトンガ語をどうやって保護するのだ。方言だってなくなって、東京語になりつつあるのに。話者を維持していくって難しい。まして文字になっているものですら。2020/01/23

sasa-kuma

8
独特な文法に少し読みにくさを感じたものの、気になる部分に付箋を貼っていったら付箋だらけになる。「シカタガナイ」が翻訳不可能な外国人には理解不能な日本独自の感情だと知る。天災を乗り越えるためなら生きるための知恵だけれど、人災(原発、原爆、集団的自衛権)に対しての「シカタガナイ」はどうなのだろう。目をそらしてはいけない、自分の頭で考えなくてはと自分を戒める。世界の中には目先の欲に目がくらんで自分たちの国の大切なものを手放したりはしない民族がいて、でも今の西欧中心の世界ではその人たちは下等とみられたりする。2014/08/23

びすけっと

7
2013年11月刊。初出 世界、月刊百科。 新聞書評に出ていた著者の他の本。日本の位置は極東である。ただし基準はどこにあるかを考えると、ん?!となる。世界史はあまりにも西洋中心で西洋の人々は東洋をまず知らない。日本文学を全く知らないアメリカの学生に「枕草子」をテキストにしたところ、ブーイングの嵐だったとか(p.191)。文化伝統風習言語等々を母国を中心に思考するとこういうことになる。日本語を操る私たちもまた同じことが言えるだろう。読むほどに縦書き文化、日本語、紙の本が溢れるこの地にいて良かったと思った。2014/05/07

kuukazoo

5
日本語だけで日常生活が問題なく送れ仕事も学ぶこともできるという状況が世界的にみてどれだけレアなことか(翻訳がビジネスとして成立するニーズがあり、それにはやはり日本人の教育水準の高さが前提だし、これまで日本が植民地支配を受けてこなかったというのもあるだろう)。南太平洋諸島、オーストラリア、ロンドン、エストニアで、本屋に並ぶ本やお店の人等との話を通し見えてくるその国・地域の出版状況。そこから言語、文学、文化、歴史に話は広がり、人種差別や先住民族のこと、教育格差のことまで。その辺は興味深いのだが(続く)2015/06/01

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