出版社内容情報
著作権侵害や個人情報の漏えいといった情報セキュリティ上の事件、ネットにおける「匿名/実名」問題。生活の隅々にまで行渡りながら、人間には制御不能な様相を呈したインターネットの未来を考える。
内容説明
ウィニーは何を問いかけていたのか?個人情報の漏えい、著作権侵害、跋扈する“匿名”の存在。制御不能システムとしてのインターネットの未来を考える。
目次
第1章 ウィニー―何が問題とされたのか?(「47氏」の挑戦―ウィニーはいかに生まれたか?;ファイル共有ソフト、社会問題になる;逮捕そして有罪の衝撃)
第2章 ウィニーは悪なのか?―インターネットの可能性の極限に向けて(P2Pとは何か;どうしてウィニーは著作権侵害の道具となってしまったのか?;どうしてウィニーは情報流出を招いたのか?;インターネットの可能性の極限に向けて)
第3章 ウィニーの情報所有論(インターネットの所有とコモンズ;コモンズvs私有財産―インターネットの帯域問題;著作権の哲学―著作権の倫理学・哲学的基盤はあるか?;政治・経済システムの中の著作権;著作権のゆくえ―現代における流通コントロール)
第4章 “匿名性”をどう考えるか―議論の焦点となる匿名性(インターネットは匿名の世界なのか?;匿名性とは何か?―「到達困難性としての匿名性」と「印象操作のための匿名性」;匿名性の可能性と限界―自由と専制;親切な監視―見守り型監視の根拠と限界;秘密のない世界は必要か?)
著者等紹介
大谷卓史[オオタニタクシ]
1967年千葉県生まれ。吉備国際大学国際環境経営学部准教授。専門は情報倫理学と科学技術史。千葉大学大学院文学研究科修士課程修了後、情報系出版社の編集者、フリーのサイエンスライター、東京大学大学院工学系研究科博士課程を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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