出版社内容情報
変質する「平等」「公正」理念を立て直すには。アクチュアルな問題群から、新たな公教育像を模索する。
内容説明
激変する社会と教育システムの接点をさぐる。格差と不平等が顕在化するなか、教育の役割と可能性はどこにあるのか。議論のベースとなる論考を集成。
目次
1 現代社会を読み解く視座(社会変動と教育―グローバル化の中の選択;戦後教育における「必要の政治」―二〇世紀シティズンシップの拡張とその帰結;教育政策とエビデンス―教育を対象とした社会科学的研究の動向と役割)
2 教育と社会の新たな関係(格差・貧困から公教育を問い直す;高校中退者問題と格差社会;教育と職業との関係をどうつなぐか―垂直的/水平的多様性の観点から)
3 マイノリティと教育(越境移動と教育―トランスマイグラントの時代における自立の支え方;部落問題と教育―見えない排除;震災と教育―学校教育における「ヴァルネラビリティ」の所在)
著者等紹介
志水宏吉[シミズコウキチ]
1959年生。大阪大学大学院人間科学研究科教授。学校臨床学・教育社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Riopapa
4
経済格差、同和問題など、今まであまり深く考えたことのない問題だった。震災については、教師が教室であまり触れなかったということは実感としてよくわかる。一人一人の子ども達がどのような経験をしたのか、分からなかったから。2021/12/21
とりぞう
2
「社会の中の」ということで、当然「同和教育」にも触れている。ただ、いつも思うんだけど「同和教育論」には、(言葉は悪いけど)「同和教育に巻き込まれた生徒」への言及がない。不勉強なぼくは、そのような視点から「同和教育」を語る資料を見たことがない。そこに研究者の「同和教育にちゃんと向き合って偉いでしょ」観が見えて、気持ち悪いし腹立たしい。2023/04/25