内容説明
戦争の開始とその進展にともなって、教育が大きく変容していったことはよく知られているが、その直前に誕生し、その最中に広まり、さらに別の言葉に言い換えられた児童文化とは一体何だったのだろう。そこに現在この言葉のかかえている問題を解く上での一つの鍵がありはしないだろうか。その誕生以後の過程において、人々がどういう思いをこの言葉に託していったのかを史料に即して明らかにする。
目次
第1章 児童文化運動の水脈(児童芸術教育運動;「児童文化」の誕生 ほか)
第2章 児童読物の統制(統制を求める声;「特輯児童文化」 ほか)
第3章 綴方教師たちの児童文化(生活教育論争;生産力理論 ほか)
第4章 児童文化から少国民文化へ(直接的な指導;官民合同への地ならし ほか)
著者等紹介
浅岡靖央[アサオカヤスオウ]
1955年、大阪府生まれ。1986年、明星大学大学院人文学研究科博士課程(教育学専攻)中退。専攻は児童文化理論、日本児童文化史。現在、日本児童教育専門学校専任講師。東京家政大学、白百合女子大学、宮城教育大学等で非常勤講師も勤めてきた
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