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江戸の男色―上方・江戸の「売色風俗」の盛衰

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  • サイズ B40判/ページ数 253p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784896919196
  • NDC分類 384.7
  • Cコード C0221

内容説明

日本の男色が、支配層の嗜みから一般民衆に拡がり、売色(売春)として成立したのは十七世紀末といわれている。歌舞伎文化の先進地だった上方(京・大坂)では、「野郎歌舞伎」が禁止され、若い役者たちは遊所に流れ込む。その「男色風俗」は、元禄以降に江戸にも伝えられ、上方では「若衆と男」の組合せが基本だが、江戸では、若衆を「裕福な商家の女性」が買うことが優勢になる。その実態は、女装の「美少年」が男女を相手にする世界史的にも珍しい「売色風俗」だった。本書は、「男色図」を介して江戸の性風俗の盛衰を描く「性の図像学」でもある。

目次

序章 「少年愛の歴史」だった日本の男色(公家、僧侶、武家と受け継がれた日本男色史;「売色風俗」に変質した江戸の男色)
第1部 男色の先進地、京・大坂の売色風景(京の街で続々と刊行された「性愛書」「男色図」;若衆の養成法までカバーする大坂の「男色文化」;上方の男色情景をほぼカバーする「男色大全」;幕末に向けて衰退化する上方の「男色風俗」)
第2部 武家から出発した江戸の男色風俗(男色・女色取り交ぜた「三人取組」の世界;女の「役者買い」が優勢だった江戸の性風俗;男色の衰退と「陰間茶屋」の隆盛;「役者の世界」に限定されつつあった江戸の男色図;男色の衰亡期に刊行された『枕文庫』)
終章 類例のない独自の道を歩んだ日本男色史(上方の男色、江戸の男色―地域文化の違いに注目する;「する側」「される側」の違い―身分差、年齢差で截然された日本の男色;世界史的にも稀有な女装の美少年たち)

著者等紹介

白倉敬彦[シラクラヨシヒコ]
1940年生まれ。早稲田大学文学部中退。独立の編集者として、長年美術・浮世絵関係の出版物の企画・編集に携わる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

UMA

4
やっぱり電車の中で読むのは無謀だった……とにかく図画資料が多い。男同士の吸茎図は確かに見たことなかった(男女間でもあまり見ない気がする)なぁ。ただでさえ体位のバリエーションが少ない上にタチネコが逆転することがないからシチュも限られてきて男色浮世絵としては早々にネタ切れ起こしちゃうとか勿体無い。資料見る限り、基本的にネコは着衣ってルールがありそうだけど(全裸のときは女相手が多い)その辺の理由とか考えてみるのも楽しそう。2012/11/01

じろう

1
ジャニーズが大騒ぎなので本棚から引き出して読んでみた。(ナンノコッチャ。)図版たっぷりで食傷。江戸時代の男色も時代によって流行り廃りと地域性があったということで何も日本が男色天国であったというわけでもなさそう。幕末期は男性より女性による陰間買いが横行したということでこれはホストクラブを連想する。男女の親和力は強いんだ。陰間も12,3歳くらいからそのために養成されていたようでいやいや組が多かった。これはジャニーズと同じだ。2023/09/26

山田隆

1
前から漠然とそうではないかと思っていたのだが、やはり昔の男色は同性を同性として愛する現代的な意味合いでの同性愛とは別物のようだ。江戸時代は同性愛はタブーではなかったという人がいるが、これは楽感的すぎる意見で、実際はこの時代にも当然いたであろう真性の同性愛者は、現代以上につらい日々を過ごしていたのではないか?2015/07/02

nyaboko

1
歌舞伎を中心とした男色売春文化を上方や江戸を意識しながら紹介してます。中身を空けると、モザイクかけなくてええんかい、というくらいモロな浮世絵が山ほど載ってるので、閲覧には注意。その浮世絵を解説しながら日本の男色文化の特徴を解説してます。武家の男色文化はあまり扱ってないので、そこを期待するとハズすかもしれません。BLスキーにはおすすめ。2012/02/12

すい

0
江戸の男色とあるが、江戸時代中ごろまでの男色が栄えていた頃の春画、男色絵図が隠されることなく掲載されている。江戸よりも上方で隆盛した男色であるためか、江戸の内容は個人的に少なめ。新書のせいもあり、解説と分離してページをいちいち繰るのが面倒。性器の批評まであって、初めて江戸時代の男色関係の本を読んだ自分にはいろいろと衝撃的だった。ただ、春画を元に解説しているため、男色のこまごまとした知識を得るには物足りないような気がする。個人的には男色よりも売色に重きを置いているようにも見えた。2012/01/23

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